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第47話

「遼一、遼一! ビッグニュース!」  その知らせは突然飛び込んできた。旅行が終わってすぐに期末試験があった。当然のことながら猛勉強の成果もあって、数学は二度目の満点を取ることができた。それ以外の成績も段々と上がっていき、先生に真面目に大学進学のことを相談し始めていた。先生は嬉しそうに笑って、俺にキスされて、休みには一緒に出掛けて。俺達は恋人同士として順調に進んでいる。そんな余韻に浸っている俺だった。秋も終わりになりかけた初冬の朝昼はかなり冷え込んでいる。学校に行く途中、巧が隣りに走り寄ってきた。 「何。面白いネタ?」 「もしかしたら野村先生ってゲイかも!」  びっくりして俺は巧を見た。どこからそんな話が出てくるんだ? 俺に言うってことは俺と一緒にいるところを見たわけじゃないだろうから。俺はかろうじて平静を装った。 「いやあ、もう、俺、びっくりして! 昨日さ、新宿にダチと遊びに行ったのよ。そしたら歌舞伎町の入り口? 辺りで蹲ってる人がいたのよ。具合が悪いのかと思って俺らも心配になって声掛けようとしたら違う男が飛んできてさ、起き上がらせたら、何と! 野村先生だったのよ!」 「……いや、でもそれだけじゃゲイっていうのはおかしいじゃん……」 「いや、そしたら野村先生、失神しちゃってさ。その男が姫抱っこしてよ? 目立つ目立つ! 歌舞伎町の中に入っていくから、俺ら、着けてったわけ。そしたらさ、どこ行ったと思う? ラブホだよ、ラブホ! これは決定でしょう!」  鞄を持つ手が震えてる。嘘だと思いたくても巧がそうやって見たのなら、本当だとしか言いようがない。いや、でも具合が悪くなったのを介抱してくれていたとか、……連れ込まれたとか。考えてはみたものの、答えは出てこない。 「俺さ、気になってその後もしっかり着けちゃったんだよね」 「え?」 「二時間後、二人で出てきて、歌舞伎町の一件の店の中に入っていきました。二人で話もしてたから、あれは知り合いだな。強面のイケメンっていうの? おまえより身長は少し低いけどガタイがよくって……」 「その店に連れて行ってくれないか」

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