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第90話

 一生懸命、震えを止めようとしているのに、なかなか緊張が解けない。深沢さんとの時はどうなんだろうか。もっと気楽に身体を開くのだろうか。胸の前で時々手を組もうとするので、俺は両手を握りしめベッドへと押し付けた。露わになった胸が不規則に動く。息が上がって、先生の呼吸も乱れた。 「……発作が起きそう? なら止める」  先生は首を振って何度も喘ぐ。もう汗が滲んで額を濡らしていた。 「……大丈夫……無理にでいいから……して」  瞼をきつく閉じて先生は俺の指に自分の指を絡ませる。俺はその指に軽く口付けると先生と何度もまたキスをした。忘れないように、先生も忘れないように。舌を甘く噛んで揺らす。こんな顔を深沢さんに見せているのかと思うと胸が痛んで仕方がなかった。これからも先生は深沢さんを頼るだろう。なんとなくそんな気がした。それは彼の弱さではなく、生きるためだとわかっていても俺には辛かった。こんなに好きでも叶わない恋があるなんて、今まで思いもしないで生きてきた。俺は思わず強く先生の肌に痕を付け続けた。 「……ねぇ……欲しい……」 「うん」  俺は迷わず先生のズボンと下着を取り去り、きつくなった自分のジーンズと下着も取り去った。羞恥に赤くなった先生の頬に口付けるとまず手で先生のペニスを優しく扱いた。先生の耳元でそっと呟く。 「……裕貴、唇噛まないで」 「あ……んっ……ん、遼一」  髪を撫でると、先生は俺の顔の下に自分の顔を捻じ込んだ。激しい息遣いが耳に届く。先生の乱れた姿に、俺のペニスもいきり立っている。淫らな音が響き出して先生の息も弾む。 「……出しなよ」 「……あ、あ、っ――!」  手が白濁に濡れ、俺はその指を先生に見えるように舐める。先生がぎゅっと俺の肩を握りしめた。 「……遼一のも……」 「……ダメ。先生は無理をするから」  濡れた指をゆっくりと先生の熟れた蕾へと差し込んでいく。全身がびくびくと跳ねた。 「……遼一、あ、そこ……っ」 「ここ?」 「うん……」

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