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第105話
「……裕貴?」
少し考えるような仕草をした後、先生はぐいぐいと俺の腕を引いてリビングのドアを開ける。すぐそこにベッドがあって、俺の感情も一気に昂る。リビングから漏れる灯りだけを頼りに先生が俺をベッドへと押し倒していく。どうするのかと思って仰向けに寝ると、先生の手で背広、ネクタイ、シャツと脱がされる。脱ぎやすいように協力して、その次はアンダーへ。上半身裸になると先生がうっとりしたように俺の胸に手を這わせた。そのまま俺の上に跨って、被さってくる。正直、俺はびっくりして身動きできなかった。激しいキスが顔中に降ってきて、俺は少し呼吸が上がる。先生は夢中になってキスを繰り返しながら俺の上半身にくまなく触れていく。まるで喰われるような感覚。舐めまわされたり、噛まれたり。これがあの先生なのか? 先生の胸の鼓動が激しく鳴っている。息をつく暇もなく、先生は俺の身体を味わっていく。
「裕貴……」
「背中……」
俺は戸惑いつつもうつ伏せになる。背筋を撫でられると一気に下半身が重くなる。先生は俺を抱きたいのか? 先生の言うことが本当なら、先生はまだ童貞だということになる。そんなことを考えつつ、先生の唇や舌の温かさを感じている。好きな人に抱かれるって、こういう感じなんだ。こんなふうに求められたことがないから、知らなかった。
「……裕貴、……気持ちいい……」
「もっと……もっと欲しい……」
ストレートにせがんでくる先生の好きなようにさせてやろうと思った。最後まで……は考えてしまうけれど。先生は俺のボトムスを引きずり降ろしていき、腰骨に口付ける。結構響く。前がきつくなって、俺は腰を浮かせた。
「……脱いでいい?」
「うん」
先生の唇が濡れて光っている。目が欲情した男のそれになっていて、俺は思わず唇を奪う。舌を絡めながら、俺は下着を脱ぎ、先生の両手を自分のペニスに導いた。もう大きくなったそれに、先生は頬を擦り付ける。
「ん……裕貴」
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