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第5話
あの日、訳のわからないことを口走った俺はキスして誤魔化した(つもりだ)けど、その後なんとなくギクシャクしてしまっていた。
バイト中はお互い普通に接してると思う。でも、以前ちょっと親しくなった時みたいな目配せや手助けは無くなってしまった。
俺の気のせいかもしれないけど。
そしてそれが決定的になったのは、今月の俺のアノ日…乳首が過敏になる日が来ても進藤くんと2人になることがなかったからだった。
ここ数日ムズムズしていて、バイト中明らかに俺が不自然に身を捩ったりしても進藤くんは無反応だ。今までならすぐに目配せされたり、耳元でいやらしいことを囁かれたりしていた。
でもそれが無い。
俺に飽きちゃったのか……
いや、俺はなんでちょっと残念みたいな雰囲気になってるんだ?
おかしいだろ。あんなこと、無かったことに出来るならそれに越したことはない。
それなのに、身体は期待しているのか疼いて仕方なく、乳首は鬱血してジンジンしていた。
バイト中はそっけなくても、もしかしたらバイトのラストが被ればまた構ってくるかもしれない。
そう思っていたが、やっと来たその日、進藤くんがラストで入るはずだったのに、気が付いたら女子大生と交代してしまっていた。
あ…避けられてる…?
そこまで考えてなかったけど、興味を失っただけというより、意図的に避けられていると直感した。
やばいところを見られた相手が離れてくれて、いやらしいことをされなくて済んで嬉しくなるはずなのに、僕は気分が浮かなかった。
その日は女子大生と普通に店を閉め、家に帰った。
以前ならあの更衣室で進藤くんにグズグズにされていたはず…
いやいや俺は何を期待してガッカリしてるんだよ?
乳首がこんなだから、思考回路までイカれたのか?
「はぁ…痛い…」
帰宅して自室でピリ、と絆創膏を剥がす。
「んんっ」
テープが引きつれる刺激も今の僕の乳首にとっては快感を伴う。
着ていたトップスはもう脱いでしまう。
赤く、熟れ切った果実のように膨らんだ俺の乳首。
進藤くんはコレが好きだったんじゃないの?
この…いやらしい…
俺はそこを自分でそっと触った。
「んぁっ」
目を瞑って、進藤くんにされたことを思い出す。
右の乳首を強めに捩った。
「んぐっ!ぃ、痛いっ、進藤くん…ああっ」
俺はベッドに腰掛けて更に集中して想像しながら胸をいじる。
くに、くに、くに…
クリクリクリ…
「ああっあっだめ、そんな…あっ♡」
舐められたの、気持ちよかった…
「舐めて…進藤くんんっあ、いい!」
進藤くんの舌が…俺のをベロって…ああ…またして欲しいよぉ…!
「もっと舐めて、進藤くんっいいっいいっ♡」
ああ、だめ、だめ、もういっちゃいそう…下着脱がないと汚れちゃう。
でも…
「あっダメ、そんなに強くしちゃ…ああっ」
この前パンツの中で出しちゃったの、気持ち悪いけど、いけないことしてる感じがなんだか…良かったぁ…
「あっイク!イク!」
俺は乳首をピンピンと弾いた。
そして進藤くんの顔が僕に笑いかけるところを想像した瞬間腰がゾクゾクっとして下腹部が熱くなり、射精した。
下着の中に出してしまった。
「ん、あの時…」
イッた後の敏感な性器を進藤くんの真似をして素手で掴んだ。
ぬちゃ…
「あんっ気持ち悪い…」
なのに、気持ちいい…あ、コレやばい…
ぬち、ぬち、ぬち、
ぐちゃぐちゃっ
俺はよくわからない衝動に突き動かされてちんこをめちゃくちゃに扱いていた。
あっやだ、また気持ちよくなっちゃう!
「はぁ、はぁ、はぁっあひっいぃっひっダメダメっ気持ちいいっ♡こんなの嫌っいやぁっ♡進藤くん、進藤くん!」
俺はもどかしく足を動かして、下着ごとズボンを下ろした。
ペニスを握る手と反対の手を足の間に潜らせ、進藤くんが触ったお尻の近くを撫でる。
「んっ♡」
ここ気持ちいい…くにくにって…ああ
俺はこの先この指をどうするか一瞬迷った。進藤くんは…奥に…
つぷ…
入っちゃった…気持ち悪い。
進藤くんが指動かしてたらなんか、ぞくっとするところあったよね…
ぐにっぬぷ…
ちがう…ここじゃなくて…
グイッグイッ
「ああっ!」
思わず大きな声が出て慌てた。
階下には親がいる。
あ。ここだ…何ここ、変だよ。
最近は乳首でばかりイッてたのにそれよりも気持ちいいなんて。指先が良いところに当たると身体がビクッと跳ねる。
うそ…俺、変態になっちゃったの?
グニ、グニ、
ぬこぬこぬこっ
「ああっそこグニグニだめぇ…」
お尻が気持ちいいの変っ!進藤くんのせいだよ。こんなの知らなかったのに…
「んんっ、ん♡」
ちんことお尻を一緒にいじるの気持ちいい…
もっとして、進藤くん…
じゅこっじゅこっ
ぬくぬくぬくっ
いやらしい音が耳につく。
「ああ、進藤くん見て、見て、いやらしい僕を見てっいじめてぇ♡あっイッちゃう!お尻いじったままイッちゃう!見て、はしたない僕を見て♡♡イク、イクぅ!!!」
お尻をモジモジ振りながら、手の中に二度目の射精をした。
「ハア、ハア、ハア…」
こんなのおかしい……なんで、せっかく進藤くんから解放されたのに進藤くん想像してオナニーしてるんだよ…
「進藤くんのせいだよ…どうにかしてよぉ」
してる最中は興奮して我を忘れていたが、それが覚めると一気に気まずくなった。
後輩の男子高校生想像してオナニーするとかヤバすぎだ…最悪。
しかしその後の出来事で俺はもっと打ちのめされることになる。
進藤くんはバイトを辞めてしまった。
元々短期の予定だったらしい。いちバイトでしかない俺はそれすら聞かされていなかった。
高校三年なのになんでバイトなんて始めたのかなとは思ってた。
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