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【番外編】 夏なので進藤くんと海へ行く(1)

「あ、そうだ。尾崎さん、来週はうちに来なくていいよ」 「え?なんで?」 「出掛ける用事出来たから」 「そうなんだ…」 俺は先週進藤くんと初めてセックスした。 すごく気持ちよくて、頭がおかしくなりそうだった。 それで…俺は結局進藤くんのなんなんだろう? 進藤くんは俺のこと好きって言ってて、2人でセックスした。 これって、付き合ってるってことなのかな? でも俺からは何も言ってないんだよね…。 かといって別に返事を聞かれもしないからそのままになってる。 それで相変わらず俺は進藤くんの家に"家庭教師"に来て、こうやって裸で縛られてえっちなことをされている。 今も、目隠しされて進藤くんの膝の上に座ってローター入れられて射精するの我慢してたんだけど、我慢しきれずイッちゃったところだ。 「あの、アイマスク取って?」 「うーん、アイマスクしてる尾崎さんも可愛いからどうしようかな」 頬を両手で挟んで撫でてくる。 「は?何言ってるの…」 「ごめん、怒らないでよ」 進藤くんがアイマスクを外してくれた。 「怒ってないよ。それで、どこ行くの?来週」 これくらい聞いてもいいよね?恋人気取りなわけじゃないよ。 「聞いてくれるんだ。あのね、モデルやってたときの事務所の人と一緒に海行く」 「へ…へぇ…海ね」 どこから突っ込めばいいのかな? モデルやってたとき? 海?事務所? へーーー。俺には全く縁がないや…… 改めて、この人なんで俺なんかのこと好きなんて言うんだろう? 単にからかわれてるんじゃないかって思っちゃうよ。 うーん、からかってないよね? うーん… 「俺も行ってみたいな…海」 あれ?何言ってるんだ俺。 「え?!本当?じゃあ一緒に行こうよ」 「え?いやいや、海に行ってみたいとは思うけどその集まりはちょっと…場違いだし」 俺は首を振って遠慮する。 「だって海行きたいんでしょ?いいじゃん行こうよ。行く気しなかったけど尾崎さん来てくれるならやる気出る」 「そ…そうなの?」 「うん」 「じゃあ…行ってもいいのかな…」 「いい、いい!友達連れてきていいって言われたし。高校の友だちも何人か連れてくんだ」 「え…それは逆に俺気まずくないかな?歳も違うし」 「関係ない関係ない。そういうの気にしない奴しか連れて行かないし」 「そうなんだ。じゃあ…進藤くんのお友達見てみたいから行ってみようかな」 でもきっとこんなことを言ったのを後悔するんだよね。 陰キャが急に思い立って前向きに行動起こそうとして、後からやめときゃよかったーってなるのってあるあるだよね。 もちろん俺も例外ではない。 海に行く前日、死ぬほど後悔した。 海行きを翌日に控え、水着などを用意しながら俺は何で海なんかに行くって言っちゃったのかとあの日の自分を呪いたくなった。 よりによって、乳首がピリピリし始めたのだ。 今月はまだ大丈夫って思ってたのに…どうしよう。 今更断ったら嘘ついたと思われるよね。 水着だから絆創膏も貼れないし…とりあえずこのラッシュガード着てればバレない…よね? ちょん、と乳首に触れるとビリッとした快感が走った。 「んっ…、どうしよう…」 明日、何事もなく済みますように。

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