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2.スラム街の闇医者と落ちてきた片翼の天使②

 安物の診療ベッドにそれを寝かせると、ヤクモはマジマジと顎に手をやりそれを見る。美しい。反吐が出るほど美しい顔のつくりと線の細い身体。しかし、胸は無い。どうやら男のようだ。内心(診がいがねーな、)と思ったものの、まずはヤクモも、子供がしたようにそれの呼気の確認をする。薄くだが、確かに呼吸をしている。そして今度は額に手をやる。随分熱く、熱があるようだ。何かおかしな感染症にでもかかっていたらいけない、とヤクモはそこでやっとマスクをして、子供達をシッシと手で追い払って診療室から退室させた。 「ったく、なんで俺が……」  いいながらも、これもどこか良いトコの青年だろう。とも思う。そうしたら診てやって、いつも通り法外な診療代を請求して、一儲けしてやろうじゃないか、と。机の引き出しから綿を取り出して、手袋をして金髪の青年の、口の中に指を入れる。ぬる、と勿論そこは濡れていて、採取した唾液から、ヤクモは一時間ほどかけて幾つかの感染症への疑いがないか、調べたのであった。そうして感染症の疑いがない、と解かったところで『ううん』とそれもまたハープの音色のように美しい声がして、ベッドを振り返ると目を擦って、何の前触れも無しに青年がむくりと起きあがった。 「……ん、んん、ここ、は」 「オイ、てめぇ起きたのか。ここは医者だ、そしてお前にはかなりの高熱がある。大人しくしてろ」 「コウネツ? はっ……僕は、そうだ、神!!」 「神? はあ? なんかの狂信者か、てめえ」 「ああ、ここは……そうか、なんてことでしょう! そうか、ここは、地上……」 「おい、大人しくしてろっていっただろ。それに、騒ぎ立てるな」 「あなたは、人間ですね?」 「じゃなかったらなんだ、悪魔にでも見えるってか?」 「悪魔!?」 「冗談だよ、ちゃんと人間だっつうの」  『悪魔』との声に急に身構えて後ずさる美しい青年に口元を上げて、起きたならばと粉の解熱剤を取り出す。ベッドの方でまだ身構えている青年の横に腰かけて、『ほれ』と薬の紙袋をその手に渡す。青年はその粉薬を見ては『これは……?』と不思議そうに首を傾げるから、苛々してそれを奪い取り、さっさと開封してやる。 「見ての通り、粉薬だよ。解熱効果があるから、とっとと飲め」 「コナグスリ? ゲネツコウカ???」 「お前、言葉は通じるのに何なんだ? 外の国の人間か」 「いっ、いえ……僕は、あっ」 「いいから飲め、」  ヤクモの手により顎を片手で上げられて、かぱっと口も開けられて青年は、その口に粉薬をサラサラと放りこまれた。次の瞬間、 「!!? っゴホ、おええー!」 「っっ、んだよ! きったねーな!! 薬くらいで吐いてんじゃねー!!」 「この苦さっっ……もしやあなた、僕に毒をっっ!?」 「だから、薬だって言ってんだろ、ク、ス、リ!! 熱があっから下げてやろうとしてんだよ!!!」 「はっ……そ、そうでしたか、人間界にはそう言う便利なものがあるんですね」 「人間界?」 「申し遅れました、僕はエルメール。天界にて神に仕える、天使の一人です」 「……」  バチーン。 「いたっっ!?」  ヤクモにエルメールは、思いっきりに殴られたのであった。ヤクモはといえばズモモ、と黒いオーラを放っており、エルメールはというと頭の上に疑問符を浮かべ、それからヤクモに恐る恐る話しかける。 「何をするんですか、私は天使ですよ? あなた、人間ならばもっと崇めても良いんで、」 「うるせー! 何が『天使』だ寝ぼけやがって!! 薬のひとつも飲んだことない金持ちのボンボンが、夢見がちなのもいい加減にしろよ!?」 「夢見がち……なのではなく、本当に僕、天使でして、」 「チッ、上から飲めないなら仕方ねえ。下の口から飲ませるぞ、」 「えっ、ひゃっっ!? な、何を!!?」  ドサッと美しいエルメールをベッドにうつ伏せに押さえつけて、手袋をしたままの手で、ヤクモはエルメールが纏った布切れの下半身を捲る。エルメールは下着を付けておらず、そこにはやはり美しい、桃色の男性器と睾丸がベッドに押し付けられていた。白い尻たぶをペシッと叩いて笑ってやる。 「はっ、何が天使だよ。天使ってのは両性具アリだって聞いたぜ?」 「ぶっ、無礼な、貴様!! 大体、僕に男性器しか付いていないのはただの神の嗜好でっっ、」 「『神』『神』うるせぇ寝ぼけた坊ちゃんだ。おらっ、座薬入れてやるから大人しくしとけ、」 「ざやっっ……、ひっ?」  むにぃ、と白い尻たぶを開くと、やはりやはり美しい、エルメールの桃色のアナルが露になる。美しい、ヤクモが今まで相手をしてきたどの女よりも美しいそこに、医者であるにもかかわらず、ヤクモの股間はズクリと疼いた。ぺろりと舌なめずりをして、まずはすぐ横の机から取り出した、言った通りの座薬をぷちゅ、とその、エルメールのアナルに宛がって、指と一緒にズプン、と飲みこませる。そこは案外柔らかく、どうやらこの男、男の相手に慣れているようだ。骨ばったヤクモの指で、ぐりぐりとナカに押しこんでやると、ぶるり、とその体を震わせて、エルメールがまだほざく。 「ぶっ、無礼者、無礼者がぁっ……ひくっ、んぁっ♡ あ、お尻っ……あつぅいっ」 「ハートマーク飛ばしながら、何言ってやがる。熱いのは、てめーに熱があるからだっつう、のっと!」 「ひぐっっ!!? らめっ、そこ、弱いからぁっっ……だめ、らめれす、神、神にしかられちゃうっ、」 「ん? ここか、てめーの前立腺。ちんこも勃起してやがるし……乗りかかった船だ。仕方ねぇから抜いてやるよ、おらっ」 「はひぃっ!? あっ、おっ♡ 前立腺、突いちゃやらぁっっ、にんげん、人間のくせに、ぶれいものっっ」 「うるせぇ坊ちゃんだ。いっそまともに喋れねぇように、はぁ、ほんっとうに特別だぜ? 俺のコレ、ついでに喰わせてやる」 「へっ? あっ……!!」  そこまで言って舌なめずりをして、ヤクモはロックな黒のジーンズから、凶悪に大きく血管の浮いた性器を取り出す。それはエルメールの感じやすい美しい痴態に、既に勃起しており……。エルメールがゴクリと息を飲む。その目の中にはハートマークが浮かんでいるようだった。好きモノめ。ヤクモは思ってエルメールの腰を持ち上げ、腸液を垂らしてヒクついているエルメールのアナルに、自身の性器をぷちゅ、とキスさせた。 「あっ、あっ、あっ、人間の、おちんちんっっ……おっきぃ、か、神、神よ、僕はっ……」 「うっせぇ、黙って咥えろ淫乱」  ズッ、チュン!! 一気に奥まで挿しこむと。キュウウ、とエルメールが思いっきりにアナルを絞めて、そう、喜ぶ。持っていかれそうになって、ヤクモはグッと奥歯を噛んで耐えて、それから早くもピストンを開始する。ズルッ、ズッ、ズチュ、ズチュ、ズチュ。人間の女のようにそこは、男に犯されるためにあるみたいにドロドロに塗れて滑っていて、ピストンも滑らかに、しかし程好い締め付けで行われる。こいつ、この坊ちゃん、男のくせに名器ってやつだ。ヤクモは思いながらも、奥歯を噛みしめながら『は、は、』と短く息をする。 「ふああっっ、ああんっ!? ひっ、あっ♡ ああっっ♡♡ しゅごいぃっっ!!?」 「くっ、てめぇ、良いケツ、してんじゃねぇ、かっっ!!」 「あああっ、人間、ニンゲンのおちんちん、ふとっっ、おっきぃっっ……神の、神のとはまた違うぅっ!!?」 「だからその、『神』っての、止せ! はぁっ、俺ぁ、ヤクモだ、呼ぶ、ならっ、相手してる男の名前にしろっての!!」 「あっ、お゛っっ♡ や、くも? ヤクモっっ、ヤクモぉっ……♡♡ 奥、ゴリゴリ気持ちイイっっ!!」  エルメールのいう通り、一番奥まで挿入して、最奥の壁に、まるで子宮の入り口にするみたいにゴリゴリと性器を擦りつけてやる。そのうちエルメールは、限界まで勃起させた性器を自らの片手で擦りあげだし腰を揺らして、不様に尻だけを、犯されるためだけみたいに露出した格好で、腰を思いっきり突きあげた状態で、『あ゛っ、あっ、あ、』と声をあげて、 「イっっ、くぅーーーーうんっ!!!?」 「ぐっ、絞め過ぎっっ、だ、!!」  ドピュっっ、キュウウウウ!! と、射精をしてアナルを締め付けて、ヤクモの性器もまたドプン、ドクドク!と、その締め付けによって射精をさせたのであった。

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