10 / 40

欲しがりな彼 10*

あの後、東城は、服を脱ぐと、広瀬の後孔に自分自身をつきいれてきた。 強い刺激の余韻の中だったので、広瀬は耐えられなかった。意識が薄れる。 「いたい!」と声をあげていた。だが、東城は広瀬の中に自分の先端をねじこむと、おかまいなしで、腰をすすめてきた。 「お前は俺のものだ、広瀬。そういったよな」と東城の声がする。「お前の、手も足も、身体も、この中も、全部、俺のものだ」そして、顔に手をかけてくる。「目をあけろよ」と言われた。 ズンと重く腰をつきあげられる。広瀬は命じられたままに目をあけた。東城の顔が見える。涙でかすんでいた。 「俺のこと見えてる?」と聞かれた。 広瀬は、うなずいた。 さきほどからこすり続けられているスポットをさらに強く押される。感じすぎている身体にここまでされたことは始めてだった。 広瀬は全身が電気がながれたように感じる。また制御できなくなる。ビクビクと身体中が動く。「ああっ!」とめることができない。 「いったのか?」と東城にきかれた。彼は、広瀬の性器をそっとなでる。「こっちはでてないな。からいきした?」 広瀬の身体はまだ震え、繰り返す波のような絶頂に追い詰められる。 東城は、また、身体を動かし始めた。「さっき出すぎたから、射精できなくなったんだな」と言う。そして、「大丈夫。こういうのはよくあるらしい。こうして中を刺激していると射精しなくてもいけるらしい」普通のことだから、と続けて説明してくる。 広瀬はそれどころではない。 身体のまわりの感覚がおかしくなっている。ベッドに横たわっているはずなのに、その感触がない。深い底の見えないところにキリモミ状態で急降下していく感覚になった。 「おちる」と思わず言った。手でささえたくても、動かすことができない。「東城さん、手の、とってください」と言った。小さい声しかでない。「とって。怖い」 東城は動きをとめた。探るように広瀬を見ている。 「お願いします。とって。このままだと、どこかにおちていきそうで」こわい、とまた訴えた。 東城は、広瀬の足のベルトをはずした。そして、手のベルトもはずす。そうして、彼は、縛っていた箇所をなで、血が巡るようしてくる。 広瀬は、東城の肩に手を回し、しがみついた。まだ、身体のどこかがびくつき、落ちる感覚が止まらないでいる。 東城も広瀬を抱きしめた。そして、何回か激しく腰を動かすとかすかなうめき声をあげて、射精した。熱い液体が中に広がる。東城がまた動くと、グチュっと鳴った。ゴムをつけずに中に出されたのだ、と広瀬は気づいた。 こんなことは初めてだった。東城はいつもコンドームを使っていた。どんなに広瀬がせかしても、だ。この前の浴室でのセックスでさえも入れる前にはつけていたのだ。 それが、今日になってつけずにいれられ、中にそのまま出されたのだった。ぐちゅぐちゅと中がかきまぜられる。いやだ、と広瀬は思った。早く中から出さないと、とあせる。 だが、すぐにそれどころではなくなった。東城はゆっくり動いているうちに、再度十分な硬さと太さをとりもどしたのだ。 驚いた広瀬が腰を引こうとするが、抜くことはできない。「いやだ、もう」と広瀬は言った。 だが、東城は、聞く耳をもたずそのまま長い時間をかけて2回目達するまで、広瀬を離さなかった。 最悪だ、と思っていたが、本当の最悪はその後にきた。 全て終わった後、東城は広瀬を引きずるようにして浴室に連れて行ったのだ。そこで屈辱的な四つん這いの姿勢をとらせ、指で中から掻きだしたのだ。 いやだ、と悲鳴をあげたが、聞く耳はもたないようだった。指の動きは機械的だったが、先ほどまで感じすぎていた場所だ。広瀬はまた達してしまい、手足を折ってうずくまってしまった。東城はそれでも全部きれいにするまで許さず、指の動きをとめなかった。

ともだちにシェアしよう!