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フラッフィが住む島 (3)
「あとで辛いって泣くのは翠理なんだからね。ほら、早く帰ろう、」
藍星の言葉に、翠理は仕方なく立ち上がった。
藍星がさしてくれた日傘の影に入って、学生寮へ向かう。
歩きながら、翠理の淡いエメラルド色の双眸は、茫洋と続く空と海を見つめていた。
ぼぉーと間延びした汽笛の音が響き渡る。
フラッフィの寿命は短い。
彼らは生まれた時に、既にもうすべてのことは定められていて、自分たちで何かを選び取るための時間は用意されていなかった。
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