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フラッフィが住む島 (4)

 この島のフラッフィは、五才くらいまで親元で育てられた後、六才になると全寮制の教育機関に入学した。 十五才まで学園生活を送り、その間に伴侶を決める。 そして、ほとんどのフラッフィは学校を卒業する頃に子作りをする。  短命なフラッフィは十五才で子どもを産んでも、五年くらいしか子育てができない。 だから、両親を失った子どもがちゃんと育ってまた子孫を残せるように、フラッフィたちの生活は、保護という名前のもとで管理されていた。  翠理はいつもつまらなかった。  この島を出て、好きな場所へ好きなように行くことが出来たら、どんなに素敵なことだろう。 叶わないことだと知っていても、翠理はそう考えるだけでワクワクして、日曜日の朝になると、つい船を見に訪れた。  その船に乗って島を出ていくことなど出来ないとわかっている。 それでも、海の向こうへ想いを馳せずにはいられなかった。

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