7 / 14

フラッフィが住む島 (6)

「ほら、やっぱり少し赤くなってる、」  部屋に着いて、藍星は翠理の羽織っていた外套を脱がしながら言った。 翠理は、本当? と聞き返しながら、何げなく自分の頬に触れる。  学生寮は二人部屋で、翠理と藍星は入学してからずっと同室だ。 翠理は藍星が傍にいないとまともに生きられない。 島を管理するロトゥンたちは、そのことをちゃんと理解しているから、決してふたりを引き離したりしない。  産まれたときから、家族のように一緒だった。 十五才になってこの学校を卒業する頃、ふたりはきっと番になって子どもを持つ。 そしてきっと、最期の瞬間まで一緒にいるだろう。  藍星が翠理の手の甲に自分の掌を重ねた。 ふたりの身長はほとんど変わらないので、視線は真っ直ぐに絡み合う。 引き寄せられるように、どちらからともなく唇を重ねた。  翠理がそっと目を閉じて藍星の背中に手を回すと、藍星も同じように抱きしめ返してくる。

ともだちにシェアしよう!