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第7話

1ー7 王宮からの使者 俺は、数少ない自分の荷物をまとめると小さな鞄に詰め込んだ。 ベッドの脇に置かれた包みに気づいて、俺は、それを開けてみた。 ラミエルが騙されて借金して買ったとかいう偽の聖剣だった。 こんなもの。 そう思いかけて、俺は、思い止まった。 これから旅をするにつけて剣は、役にたつかもしれない。 俺は、この剣を持っていくことにした。 翌朝、俺は、そっと『雉猫亭』を後にするつもりだった。 だが、それは、できなかった。 なぜかというと俺が外に出るとそこには立派な馬車が待っていたからだった。 誰か、また、変わった客でも来てるのか? 俺は、そっと通りすぎようとしたけど、馬車から降りてきた2人の男に呼び止められた。 その男たちは、俺に訊ねた。 「ここは、『雉猫亭』でしょうか?」 俺は、胡散臭げにその2人を見た。 1人は、濃茶色の髪、もう1人は、赤い髪をしたパリッとした制服を着た男たちだった。 俺が頷くと、濃茶色の髪の方が俺にきいた。 「こちらにセイ・イガー様は、おいででしょうか?」 「はい?」 俺は、心当たりもなくしばらく考え込んでいた。 こいつら、何者なんだ? 俺は、悩んだが隠せるものでもなしと思い、返事をした。 「俺がセイ・イガーだけど、何?」 「あなたが?」 2人の男たちは、俺にひざまづいた。 「失礼いたしました。セイ・イガー様」 「私どもは、王宮より王の命を受けて参りました」 はい? 俺は、キョトンとしていた。 男たちは、かまわず俺の手をとり馬車へと導いた。 「さあ、お乗りください、イガー様。王がお待ちでございます」 王様が? 俺は、よけいにキョトンだった。 なんで王様が俺を待ってるわけ? 俺は、厄介事に関わりたくはなかったが、彼らにほとんど無理矢理馬車へと乗せられ王宮へと連れていかれてしまった。 だけど。 俺は、渡りに船かも、とも思っていた。 俺は、居場所が欲しかった。 もしかしたら、王様は、俺を下働きぐらいには使ってくれるかもしれない。 俺は、とりあえずこの連中と一緒に行くことを決意していた。

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