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第8話
1ー8 王宮の洗礼
「こちらへ」
王宮へと到着すると2人は、俺を王城から少し離れた離宮のような場所へと導いた。
そこには、すでに何人かの見目麗しい少年たちが集っていて、俺を物珍しげに眺めていた。
こんなきらびやかな場所生まれて始めてで、ついキョロキョロと回りを見回してしまった。
「何?あの山猿」
美しい金髪を腰まで伸ばした少年が囁くのがきこえて、俺は、かっと頬が熱くなるのを感じた。
クスクス笑いがさざ波の様に広がっていく。
「イガー様、こちらへ、どうぞ」
俺は、いたたまれなくて、早くその場から立ち去りたいと思っていた。
だから、喜んで男たちの後についていった。
俺が通されたのは、豪華な離宮の中でもひときわ贅を凝らした造りの広い部屋だった。
ちょっとした一軒屋並みの広さの部屋の中のあちこちに技巧を凝らした美しくて豪奢な家具やら、装飾品やらが置かれていた。
男たちは、俺をふかふかのソファへ座らせると無言で去っていった。
1人きりにされて、俺は、荷物を抱き締めてじっと座ったまま部屋の中を見回していた。
すごい部屋だった。
神殿にあった神官長の部屋もめじゃなかった。
部屋の中は、すごくいい匂いがする香が焚かれていて、俺は、クンクンと匂いを嗅いでいた。
この香り。
どこかで嗅いだことがあるような気がした。
どこだっただろうか?
俺は、ほぅっと吐息をついていた。
なんだか、体の中から熱のようなものが溢れ出してくるような気がする。
なんだか。
体が、熱かった。
俺が体をむずむずさせていると、あの2人の男たちが戻ってきた。
「セイ様、あなたには、ここで外部の服を全てお着替えいただきます」
はい?
それから男たちは、2人がかりで俺の服を脱がして体を暴いていった。
俺は、抵抗しようとしたが、なぜか体に力が入らなかった。
2人の手で一糸纏わぬ姿にされた俺を2人は、じっと眺めていた。
俺は、こんな明るい場所で服を脱いだことなんてなかったから恥ずかしくって全身を朱に染めて立っていた。
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