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第17話

2ー5 名を持たない王 この国、アリスティア王国においては、王は、名を持たない。 なぜなら、王は、この国そのものだからだ、とクレイは、俺に説明した。 王は、王となった瞬間からただ王、あるいは、アリスティア王と呼ばれるようになる。 俺がラウスやクレイから教えられたことは、この前の夜、俺を抱いた男が王その人なのだということ、そして、今の王が即位したのは、10才の頃だったということだけだった。 俺の記憶が正しければ、数年前にこの国の前王が崩御し、その幼い皇子が新しく王位についた筈だった。 確か、前王の死因は、謎とされていて、暗殺されたという噂もあった。 だが、もし、俺の記憶が確かなら、あいつは、まだ15、6才ぐらいの年の筈だった。 マジかよ? とても、そんな風には見えなかった。 だけど。 あの夜のあいつなら。 俺に組み敷かれて泣きながら俺を見上げていたあいつなら、そのぐらいの年だったのかもしれないと納得できる。 とにかく、あの夜から全てが変わってしまったんだ。 俺は、熱い吐息を漏らした。 あの夜。 あいつを抱いたときから、この体のうずきが止まらない。 そして、この前の夜が決定的なものとなった。 俺は、それまで決して、誰に抱かれようとも達することがなかった。 なのに。 この前、あいつに抱かれたとき、俺は。 俺は、溜め息をついた。 体が、熱い。 まるで、媚薬を盛られてように、体がうずいている。 俺は、早く再び、あいつを奥まで迎え入れたくて仕方がなかった。 俺は、広いベッドの上に1人横たえて、自分のものを擦った。 だけど、いけない。 もっと、違うものが欲しかった。 俺は、初めて感じる欲求に全身が熱く燃えているようだった。 「はぁっ・・んっ・・」 俺は、1人、切ない吐息を漏らしていた。 早く、あいつに、会いたい。 あいつに、あの大きくて熱いもので貫かれたい。 俺は、いったい、どうしてしまったんだ? 今まで、こんなことなかったのに。 俺は、自分で弄りながら呟いていた。 「ああ・・俺・・もう・・」 結局、俺は、そのままいけずにただ、熱い息をついた。

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