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第3話

「俺は絶対認めねぇぞ!!春楓と春翔と一生暮らすなんて、そんな馬鹿な話があるか!!」 「……父さんならそう言うと思ってたから認めてくれなくてもいいよ。どんなに反対されても僕の気持ちは変わらないから」 「ふざけるな!!」 開き直って話した僕を、父は初めて殴ってきた。 「あなた、やめて!!」 一緒に話を聞いていた母が泣きながら僕を守るように肩を抱いてくる。 「春希、俺の言葉を忘れたのか?どうせ春楓にいいように吹き込まれてそれに乗っかっただけなんだろ?お前、ずっと春楓の後ばっかくっついてきたからな。いい加減目ぇ覚ませ!!」 「……何、その春楓が悪いみたいな言い方。僕にとって春楓は一番大切な人なのに。春楓が僕の事を親友だと思ってくれていたのに、恋人になりたいって迫ったのは僕の方だよ。春楓の事、悪く言わないで!!」 大好きな春楓の事を侮辱され、僕は人生で4度目の怒りを覚えた。 母の手を払った僕は、感情のままに思い切り父を殴っていた。 春楓を守る為以外に人を殴ったのは初めてだった。 「春希!あんた何て事を……!!」 吹っ飛んだ父と青ざめた顔をした母。 ふたりは僕を信じられないと言いたそうな目で見ていた。 「どうして……僕に『お前のやりたい事を貫けばいい』って言っておきながら、どうして自分が正しいと思う事じゃなければ受け入れてくれないの?僕は……僕は父さんの玩具じゃない。これでもちゃんと血が通ってるんだ、生きてるんだよ!!」 親の前で大声を出して泣いたのは何時ぶりだろうか。 分かってもらえるなんて思ってなかったけど、こうして目の前で起こるとすごく悲しい気持ちになった。 「……お前は俺の息子じゃない。俺の息子なら、ご先祖さまから受け継いだ血をもっと大切にする筈だ」 家を出た僕は、母とは多少のやりとりはしていたものの、父とはそれっきりになった。

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