7 / 44
第7話
「にしても、今日は天気がいいねー!」
立ち上がった僕は、うーん!と背伸びし、快晴を見たら、さりげなく散歩のようにして、お兄ちゃんが転がしたままのミートボールを拾いに向かう。
ひょい、とお兄ちゃんのミートボールを拾い上げ、巾着袋に入れようとしゃがんでいたら、なにやら影が出来、見上げるとクラスメイトの田口だった。
あまり話したことはないけど、長身でイケメンと言われているα。
「....鈴原、ちょっと時間ある?」
「時間?ない」
僕の前に立ち塞がったままの田口を見上げ、そっけなく答え、ミートボールの回収終了。
「すぐ終わるから」
「だったらさっさと済ませて、1秒で」
田口が目を見開いた。
大体わかってる。
中学の頃に学び、何度か経験した、好きだ、とか、付き合って欲しい、とかそんな類いの話しだろう。
「好きなんだ」
やっぱりな、と僕は、
「それで?」
「付き合って欲しい」
「無理」
即答。
「なんで」
「好きじゃないから」
はい、終わり。
踵を返し、お兄ちゃんたちの元へ。
「誰?話しかけられてたろ」
お兄ちゃんが戻るなり尋ねてきた。
「知らない人」
「知らない人?」
お兄ちゃんがびっくり眼で僕を見た。
ともだちにシェアしよう!