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第9話
クラスメイトで仲の良い、恭一、大貴、慶太はそれぞれ、部活をしている。
その後輩たちに、奏斗のクラスだけではなく、奏斗の同級生に奏斗の動向や様子を後輩越しに知らせて貰っている。
報酬は購買部のパンやアイス、ジュースなど。
奏斗はあまり、クラスメイトに友人はいないらしい。
ただ、近寄り難い美形なだけに、クールビューティーならぬ、クールキュート、と訳のわからない肩書きがあるとのこと。
3人から得た情報によれば、
Ωの生徒たちは、
『奏斗くん、いつも休み時間はいないし、大丈夫だと思いますよ』
との情報の傍ら。
αの生徒たちからは、
『今日も凛として可愛いのに美しかったです♡』
『一緒にお昼食べたいけど、いつもいないし、残念です』
との声もある。
俺のクラスに遊びに来た際も...
なぜ、奏斗が周りを威嚇し、睨みつけるのかはわからないが、
奏斗が教室に戻った後はαの生徒たちはいつも大盛り上がりだ。
『今日も可愛かったなあ!』
しかも、今日に至っては、目が合ったαの生徒がいたらしく、
『まるで子犬に威嚇されているみたいな愛らしさ!めっちゃ可愛かったあ!』
羨ましい、と他のαの生徒に取り囲まれていた...。
しかもなんだ。
大貴の後輩の情報によると、数学の松田が奏斗に寄り添い、スマホを覗きこみ、肩を抱いた、と言うじゃないか!
まさか、松田が、セクハラ教師だったとは...!
自分の駄目っぷりに同情し肩に手を置いただけとは露知らず、俺、優斗は更に頭を抱えた。
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