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第25話

兄のファーストキスの相手について、恭一さんだけでなく、大貴さん、慶太さんも協力してくれるとのこと。 兄がしっかりして来たのともしかしたら関係あるのかもしれない、と踏んだ僕にはかなり有難い。 不意打ちで、 「奏斗、入るぞー」 お兄ちゃんが入ってきて慌ててスマホの画面を伏せ、勉強机に置いた。 「....どうした?LINE?」 「あ、ううん、動画見てた」 どことなく、そわそわモジモジとたじろぐ奏斗に俺、優斗は、はっとした。 「あ、ごめんな」 小首を傾げる奏斗。 奏斗も年頃だ。 俺には言えない、エッチな動画を見ることもあるのかもしれない。 「にしてもさ、登下校、いつも一緒なのに、私服で二人で出かけるって久しぶりだったな」 一層、奏斗の目が丸くなり、うん、と頷いた。 「確かにそうだね...」 (デートってしたことないけど、デートみたいだったね、行き先は病院だったけど) と言いかけ、奏斗は思わず、言葉を飲み込んだ。 代わりに羞恥で伏せた耳が赤いのを俺、優斗は見逃さなかった。 (あ、もしかして、動画の続きを見たいのかな...) 「あ、その、母さんが昼飯、作ってくれてたからさ、終わったら一緒に食べよっか」 その兄の言葉にピクリ、とする。 (....終わったら...) ....ま、まさか、僕がお兄ちゃんのファーストキスの相手を探っているのが、ば、バレてる....? 奏斗は青ざめ、脂汗が滲み出た。 そんな奏斗を赤くなったり、青くなったり、どうしたんだ? と不審に俺、優斗は眉を下げ、首を傾げ、奏斗を見つめた。

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