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第2話 俺の貞淑なお尻は後輩くん専用じゃない!(1)

次の朝、俺は何の気無しに朝食を用意して出したら感動された。 ただパンを焼いてサラダとフルーツヨーグルトとコーヒー出しただけなんだけど… 今まで付き合った女の子はあんまりそういうことしてくれなかったってさ。 俺は昨日酔っ払ってすごいこと言ってしまった気がするけど、もう忘れる事にする。あれは俺じゃない。 向こうも結婚しようとか言ってた気がするけど、聞かなかった事にしてやる。 これが大人の対応ってやつ。 「はぁ、先輩が奥さんになったらこういう感じかあ♡」 「!?」 俺がせっかくあの最悪な状況でのプロポーズ(?)を聞かなかった事にしてやろうと思ったのに…! 朝っぱらからイケメンの無駄な輝き撒き散らかして何言ってんだこいつは? クールでドライなタイプかと思ってたのに、デレるとこうなのか。 「先輩、また泊まりに来ていいですか?いいよね?」 「ダメだ。昨日のことは忘れてくれ。俺も忘れるから。そして二度とここへは来るな。」 「え!何それ嫌だよ。あんな可愛い先輩の処女喪失えっち忘れるわけないじゃん!あ~動画に残せばよかった…」 篠田は頭を抱えてる。 「ばっっっかじゃないの!?」 俺はヤバい奴にノリで処女を捧げてしまったことを後悔した。 俺は、女が、好きなの!! 不幸にもアナニーにハマってしまっただけのただの男なんだよ。 篠田は不満そうにしていたが、その後はうるさいことは言わずにちゃんと帰って行った。 そして1週間が経った。 俺のいる店舗に篠田とその上司が回ってきた。 重点的に営業をかけて欲しい商品の説明や、キャンペーンに使うPOPや配布物品搬入のために来たのだ。 篠田はどこの店舗でも女性職員に人気で、もちろんうちの女の子たちも色めき立っていた。 「あーもうほんといつ見ても完璧にイケメンだよね」 「最近彼女と別れたって本当かな?私もチャンスある?」 「いや無理でしょー!」 などとコソコソ話してるのが聞こえる。 皆さんそいつは俺のケツに突っ込んで腰振って喜ぶ変態ですよー。 前なら嫉妬でムカついてたところだが、今はあいつの本性を知ってるので心は穏やかだ。 そんなことを考えながら仕事をしていたら、篠田が近づいてきた。 女の子たちがこっちを見ている。 隣に並ばれると脚の長さの違いが目立つから嫌なんだよ。あっちいけ! 「はい、池沢先輩。これ頼まれてた資料です」 「え?俺何か頼んだっけ?」 「はい。見たらわかります」 「ああ、ありがとう」 ニコッと笑って篠田は踵を返した。 なんだ?なんか調べ物でも頼んでたっけ? 篠田と上司が去ってから、手渡された封筒を開けてみる。 キャンペーン詳細の書類と、客にプッシュする時のポイントのメモが入っていた。 有り難い気遣いだ。 そして書類の端に付箋が貼ってあってそこには "来週木曜19:30~ ◯◯◯駅南口 ご飯行きましょう" と書いてあった。 はぁ。LINEすりゃいいじゃんこんなの… 俺は付箋を剥がして指先で弄ぶ。 でもゴメンな。俺は行かない。 クシャッと握ってゴミ箱に捨てた。 あいつの笑顔が頭をよぎってちょっと胸が痛んだ。 あいつには絶対言えないが、篠田と初めてアナルセックスして以来、俺はアナニーでイクのに苦戦していた。 今までならお気に入りの動画――もちろん女の子の――を見ながら前をしごいて、頃合いを見て後ろにディルドを突っ込んで出し入れしたらすぐにイケた。 だけどあの後自分でやってみて愕然とした。 じゅこ、じゅこ、じゅこ… ぬぷ、ぬぷ… 前をしごきながら後ろをいじる。 「ああ、はぁ、はあん…」 気持ちいい。けど、物足りない。 これじゃない… ディルドを変えてもだめだった。 「んんっ…そこじゃないぃ…」 良い所に届いてない!篠田が擦ってくれたところい当たってない。 イキたいのにイケなくてめちゃくちゃに前を擦りたてる。 ぬぷ、ぬぷ、ぬぷ じゅぷっじゅぷっ 「はぁ、はぁ、イキたい…イキたいぃ…」 だめだ…なんで?もっと奥ごりごりして欲しいよぉ… 「篠田…篠田…ああっ」 もう俺は動画なんて見ていなかった。 目を瞑って篠田にしてもらったときのことを思い出しながら前と後ろをいじる。 それでようやく絶頂の兆しが見えてきた。 「あっイキそう…しのだ、しのだぁっイクっ」 結局篠田の名前を連呼しながらやっとイケた。 その後の賢者タイムで死ぬほど後悔した。 そんなわけで、俺は篠田ともう会いたくないのだ。 これ以上篠田無しでイけなくなったら俺の性生活は終わる。 彼女できなくなるじゃ済まない。 事態は深刻なんだ! 俺は追い詰められていた。

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