65 / 86

【番外編】16.屍霊の憑依と神主のお札

ぴちゃ…くちゅ… 「ぅん…ん…ぁあん…やめ、あっ」 俺は全裸にされ、後ろ手に縛られて社務所のソファで神主に身体を舐められていた。 媚薬を盛られたせいで嫌なのに身体が反応してしまう。 「やだ、やぁ…だめ、そこだめ…っ」 乳首を舐められ、指は尻の窄まりに入り込んでいる。 催淫効果のあるクリームが潤滑剤代わりとなってぬぽぬぽと抵抗なく出し入れされていた。 「んっんっ!」 「いい反応だ。中のここがお気に入りかな?」 俺の弱いところを執拗にいじって来る。 ペニスの先からタラっと液体が溢れた。 「あんっ!ああっやめて、やめて!」 「もっとよがって楽しませてくれ。久々の獲物だから興奮するよ」 獲物ってなんだよ。こいつ常習犯か? 「ああっ!」 乳首を軽く噛まれてビクッと身体が跳ねた。 もうやだ。 「佑成、剣志…助けてぇ…」 二人は向かいのソファで寝たまま、後ろ手に縛られている。 「まだ起きないさ。さて、そろそろ挿れていいかね?」 俺は必死で身体を縮める。 「いや!!やめて!!お願い。それだけはやめて下さい!」 「ほう。お願いするなら態度ってものがあるんじゃないか?」 俺は恐怖に震えた。 「どうすればいいの…?」 「そうだなぁ…まずはこれを舐めてもらおうか」 神主は勃起した性器を露出させた。 ゲロゲロ…こんなの舐めたくない! なんだよこのクソゲー!しねしねしね! 「いや…やだぁ…」 「わがままだなあ。ほら、大人しくその可愛いお口で咥えるんだ」 顔を股間に無理矢理近づけられた。 「いや、やだ…!」 その時、ドクッと心臓が跳ねた。 え…こんな時に…あゆみの霊!? 「うぅ…熱い…熱い…!」 俺はうずくまった。くそ… 「おいおい、随分媚薬の効きがいいな。仕方ない、舐めてもらうのは諦めてやっぱり挿れてやろう」 「ぁあ…だめ…く、くるしい…」 神主は俺の右足を抱えて肩に掛けた。 酷い格好だ、誰かに見られたら死ねる。 「さあ、君はどんな風に乱れてくれるかな?どっちが彼氏か知らないがボーイフレンドたちの目の前で犯すというのもなかなか味があっていいね」 神主はペニスを俺の穴に押し付けた。 「やめて…はぁ、はぁ…来る…あれがくる…っんっ」 「来る?挿れる前からもうイキそうなの?淫乱だな。君のエロ顔、とても可愛いよ…あゆみよりそそるね」 「もう…来てるって…あんたの後ろにいる…はぁ、はぁ…」 白い影が、神主の背中を覆っていた。 俺は熱くて苦しくて動けない。 白い影は霧のように蠢いて、流れるように俺の眼前に迫った。 そして熱さに喘ぐ俺の口からその霧が身体のなかに入り込んだ。 「ひゅっ、ぁ…ぁああっあ!!」 ペニスが穴の入り口を割ってずず…と入りかけている。 やめて…やめて…挿れないで… 俺は上の口を幽霊に犯され、下の口を犯罪者に犯されようとしていた。 もうだめだと思ったそのとき、神主が声を上げた。 「な!!何をする!!」 俺の意志とは関係なく、俺の両手が神主の首を締めていた。 え…? しかも、俺の普段の握力とは比べ物にならないくらい強く握っている。 「ぐ…ぐぅ…や、やめ…」 神主の顔が真っ赤になり、目が充血していく。 こっっっっわ!! 「やめ…ろ…うう…う…」 どうしよう。このまま行くとこの人死んじゃう…! たとえゲームでも俺、人殺しになるの嫌だよ!! 神主の顔は赤を越えてだんだん紫色になってきた。 マジで死ぬぞ! やめろ、あゆみやめろーーーー!!! ドン! 何かが神主の体にぶつかって、神主がふっとばされた。 それと同時に俺の中に入っていたものがまた口からぶわっと出て行って辺りに霧散した。 た、たすかった… 「いつき…大丈夫か…」 「剣志!」 眠っていた剣志が目を覚まして、縛られたまま体当たりしてきたのだ。 よかったぁ… 「ゲホッ!!ゲホ、ぉええ、ゲホッ!!」 神主は床でえずいていた。 俺と剣志ですかさず神主を押える。 剣志が馬乗りになっている間に俺は拘束を解くため、何か刃物がないか探した。 すると事務机の上にハサミがあったので後ろ向きになってなんとかハサミを手に入れた。 縛られていた縄を切り、3人共無事に自由になった。 そこで佑成も目を覚ました。 「ぅ…俺はいったい…」 頭を振っている。 「佑成、よかった目が覚めて」 「神主は取り押さえたぞ」 「え!いつの間に?」 きょろきょろと辺りを見回している。 「ていうかいっちゃん、服どうしたの…?」 あ。俺まだ全裸だった… 慌てて床に落とされた服を着る。 すると神主が苦しそうにうめきながら言う。 「くそ…あと少しだったのに…」 俺は神主の襟首を掴んで揺さぶる。 「お前、よくもあんなことしてくれたな!他の子にもやってたんだろ!」 「一樹、それよりお札お札」 「あ、そうか。お前!お札持ってるだろ。出せよ!」 逃げられないと観念した神主は懐からお札を出した。 「はーー、よかった。これで4枚目だ!」 「でも…最後の一枚はどこだろうな。手がかりもない…」 「今何時だ?」 部屋の時計を見たら0:45だった。 「夜明けって何時かな?」 俺が聞いたら佑成が答えてくれる。 「今8月だから…たぶん5時くらいだと思う」 あと4時間くらいしかない。 やばい。 「お札見つけて、貼るところまでだから4時間もないじゃん」 「神主さん。最後の1枚はどこにあるんです?このお札ってあんたが作ったんじゃないのか?」 そうか。お札つくるのって神主か。 俺は神主の背中を足蹴にしながら聞く。 「誰に配ったんだ!!言え!」 「いっちゃん、神主に当たり強いね…どうしたの?」 「俺に聞くな」 神主は仕方なく答えた。 「そのスマホにあゆみの友人の電話番号が入ってる。そのどれかに聞けばわかるよ」 「はあ?そんなの何件あると思って…」 「私に言えるのはそれだけだ」 それだけ言うと神主は気絶してしまった。

ともだちにシェアしよう!