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これからも、ずっと側に

これからだというときにピンポン、呼び鈴が無情にも鳴り響いた。 「おっ、そうだ。亜優が帰ってくる時間だった。すっかり忘れていた」 伊澤が根岸の体をどかそうとしたら、 「亜優はお利口さんだから、少しくらい待たせても怒らねぇよ。ふつー50代っていったら、性欲は衰える一方って聞いたんだが、どういうわけかお前が側にいるだけでムラムラするんだ」 「60歳に片足を突っ込んでいるおっさんに、まさかお前が欲情してくれるとは思いもしなかったから驚いた。お前は年齢より若く見えるしカッコいい。俺なんかよりも若くて可愛い子が回りに沢山いるだろう。なんで俺だったん……」 言葉を遮るように根岸は伊澤の唇に自分のを押し付けた。 「オヤジの母親は龍一家の先代のイロだった。オヤジは先代に泣かされてばかりいた母親をずっと見てきた。だからこそ誰よりも姐さんと家族と組の若いのを大事にしている。伊澤となら、オヤジと姐さんみたいな夫婦になれるんじゃないかって。俺みたいな半端者。黙って丸ごと受け止めてくれるのはお前しかいないからな。伊澤、愛してる。これからもずっと側にいてくれ」 伊澤を真っ直ぐに見つめた。 「止せや、俺まで恥ずかしくなるだろう」 年甲斐もないと自嘲しながらも、伊澤は頬を真っ赤に染めた。

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