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懺悔

根岸は慣れない子育てに四苦八苦しながらも伊澤と二人三脚で悠仁を懸命に育てた。 それなのに悠仁は……。 父親がヤクザということで影口を叩かれ、後ろ指を指されることに嫌気がさしたんだろう。ことあるごとに根岸に反発するようになった。 中学校に入学すると悪い噂がたえなかった札付きのワルの先輩たちとつるむようになり、家に寄り付かなくなった。 丸三日不眠不休で張り込みを続けた伊澤。ふらふらしてあぶなかっしくて見ていられない、根岸が伊澤を迎えに行き、そのまま家に連れ帰ったことがある。泥のように丸一日眠り続け、人の気配がして、はっとして目覚めると、冷たい視線を向ける悠仁と目が合った。 「気色悪いんだよ。オヤジとあんたを見ていると吐き気がするんだよ」 吐き捨てると、根岸の財布を漁り、小銭しかないと分かると腹いせに椅子を蹴り飛ばし部屋を出ていってしまった。 「悠仁、待て!」 あとを追い掛けようとした伊澤。布団の中からぬっと現れた逞しい腕に引き戻された。 「寒いんだよ。動くな」 「悠仁を止めないと」 「ほっとけ。どんなに心配しても、俺や播本の声は、彼の耳に一ミリも届かない。どうしてこうなったんだか」 根岸の声は微かに震えていた。 育て方、間違ったのかな。 寂しそうに呟くと伊澤の背中にしがみつき、顔を埋めた。

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