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第4話
「侑の鬼畜ー」
すっかり足腰が立たない状態になってしまった輝に、侑一は甲斐甲斐しく水を飲ませてあげる。
二度目の結合の後も侑一は止まらず、結局四回戦までしてしまった。
「輝が煽ったのがいけないんだろう」
「そうだけどさあ、体力の差を考えてよう」
体格差がそのまま体力の差にも表れているのか、何度したって侑一はケロッとしている。それが同じ男として少し悔しい。スポーツにしたって、輝と同じ帰宅部なのに、侑一の体格と運動神経を慕ってあらゆる運動部から助っ人を頼まれることが一度や二度では無い。明日だってバレー部の練習試合の打ち合わせとして朝練に呼ばれているのだ。
「筋トレしろ、筋トレ」
「セックスに必要な筋肉って?」
「ここ、だろ?」
いきなり尻を揉まれて「んんっ」と輝は声を上げた。
「セクハラだー」
ケラケラと二人して笑う。行為の後のまったりとした時間が結構好きだ。体をつなげたからか、心も近くなった気がする。
「侑、ありがと。だいぶ収まってきた」
ベッドの上で二人してゴロゴロしていたら、もう窓の外は真っ暗だ。
「ん。明日も、だな」
「無理しなくていいよ?明日は学校休むし、明後日は土曜だから」
「長引くとつらいだろ。変な遠慮するな」
抱きしめられて胸が温かくなる。いつも助けられてるなあと実感するが、甘えられるのも家族か侑一だけだ。しかも、こんなことはαである侑一のみにしか頼めない。一時期は親友がαだということに悩んだが、今ではラッキーなんじゃないかとさえ思える。コンスタントにセックスはできるし、した後は普通より早く発情期が終わる。
「じゃあ、明日はうち泊まる?エッチしたあと、ゲームしよ!」
新作のゲームを買ったのだとホクホクと見せる。前作も侑一と遊んだが、なかなか面白いRPGゲームだ。
「泊まるのは良いが、そんな体力残るのか?」
「侑が加減してくれればいーの!」
侑一のせいにしてしまうが、加減ができないのは輝も同じだ。いつも、何度も何度も求めてしまう。
「できたらな」
「ん。あ、帰る前にさ」
いつもの、と侑一にねだる。
「わかってる。シャツがいいか?」
「んんー。その中のTシャツちょうだい」
「はいはい。タオルも持ってきたから」
侑一はカバンからタオルを取り出し、輝に差し出した。
「ありがとう!あ、このタオルめちゃくちゃ良い。侑の匂いいっぱいする」
思わずタオルを抱きしめた輝に、ここに本人がいるぞと侑一は拗ねたように言った。
笑って侑一に抱きついてやる。Ωの習性からか、αである侑一の匂いに安心を覚え、いつからか輝の身の回りには侑一の所有物でいっぱいになっていった。
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