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第19話

「当たり前だ。俺の運命の番なんだから」  首筋から頬にかけて幾つものキスが降ってくる。 「ふふっ、くすぐったい」  こっちにして、と両手で侑の顔を包み、自分の顔と向き合うようにさせる。  望んだ通りの口付けが始まって、輝の中で幸せが溢れてくる。 「ん、んっ、キスきもちぃ……好き」  うっとりと呟くと、笑った唇の形でまた口付けられる。 「俺も、好きだよ」  でも今日は、と手で項を撫でられて、輝から「ひゃあっ」と甲高い声が出た。恥ずかしくて顔が熱い。 「ここ、絶対噛むから。覚悟して、な?」  真正面から真剣に口説かれて、輝は赤い顔のまま頷くことしかできなかった。 「侑……うん」  一生一緒にいる。その証。  再度唇を重ねて、お互いの熱を分け合った。舌を差し出せば、キツく吸い上げられる。唾液が絡まる音で耳から犯される。  もう何十回と侑一に抱かれてきたというのに、まるで初めてのように胸が高鳴っていた。  侑一も同じ気持ちのようで、重なった胸からドクンドクンと心臓の音が大きく聞こえている。 「輝の全てが欲しい」  唇を離すと、そっと耳元で囁かれる。 「あげる……あげるから、俺には侑を全部ちょうだい?」 「もちろん。俺はお前のものだ」  欲望を隠さず曝け出し、全てを与えられる愉悦に、発情期ではないのにぶわっとフェロモンが溢れ出す。身体中が目の前の雄を番だと騒いでいた。  キスの合間にシャツのボタン、ベルト、ジーンズのホックが外された。 「凄い良い匂いだ。俺を誘ってくれているんだろう?」 「い、言わないで。わかってるくせに」  首元で匂いを嗅いでいた侑一が微かに笑う。  負けじと眼下にある侑一の頭に鼻先を近づけると、大好きな侑一の香りがした。 「もう全部脱がしていいか?」 「ん、脱がせて」  両腕を差し出せば、シャツが抜き取られる。下に着ていたTシャツも捲られると、右の乳首に吸い付かれた。 「あっ」  左の乳首は指で捏ねたり摘んだりといいように弄られる。 「や……ぁっ、ぁっ」  両の乳首がぷっくりと赤く腫れ出した頃、侑一は輝の履いていたジーパンを下着ごと下ろした。

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