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第21話
「他のことを考えるなんて、随分余裕があるんだな」
ちょっとムッとした顔もカッコいいなんて、ズルい。
「他のことって……侑のことに決まって……」
「そうじゃなくて、今は気持ちいいことだけ考えろって」
言うと、一つだけキスを落とし、また後孔に指を這わせる。中指をつき入れたかと思うと、くちゅくちゅと掻き回された。輝が感じるポイントを知り尽くした指が、遠慮なくナカを拡げていく。
「あぁっ」
もっと奥に欲しい、ときゅんきゅん侑一の指を締め付けてしまう。
「俺は、もうお前に挿れることしか考えられない」
素直に欲望を口にされることが、恥ずかしくて、でも嬉しい。二本、三本と指が増やされる。
「んぅっ……挿れて、いい」
節の目立つ長い指で掻き回されるのも感じるが、もっと奥に侑一自身が欲しいと思うのは輝も同じだ。
「もう少し待て……発情期じゃないから、ちゃんと慣らしてから」
挿れることしか考えられないと言ったのに、輝の体のことを一番に案じる侑一に切なくなる。本当に、俺のことが好きなんだな……。
「いいって……。侑が欲しいの」
そう告げた瞬間、ずるりと指がナカから抜き出された。思わず息を呑む。
「挿れるぞ」
侑一がせわしく宣言したかと思うと、足を肩に持ち上げられ、腰を入れられる。
切っ先が入ってきた。期待で腰が浮いてしまう。
「あっ、ぁっ……はいって…る」
「ああ……お前の中はいつも熱くて溶けそうだ」
ゆっくりと全てを収めた後、侑一は輝の体を強い力で抱きしめてきた。
折り曲げられた足が少し苦しいが、耳元で熱いため息を感じたらもう堪らなくなった。
「侑っ……好き……好き」
うわ言のように「好き」と繰り返す輝に、侑一が「俺はもっと好き」と言うもんだから思わず笑ってしまう。
そして、やっぱり輝の好きな挿入しながらのキスをたっぷりとしてくれて、抱かれている間中幸せに包まれた。
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