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第22話

 一度目の放埒を迎えた後、体を離そうとする侑一を輝は足を絡めて阻止しようとした。まだまだ離れたくない。侑一を好きだと認めてしまった今、彼の体温をずっと感じていたかった。 「輝、この体勢は俺も好きだが、次は後ろからやらせてくれ」 「んん……?後ろから?」  以前に「顔を見ながらした方が喋りやすいし安心する」と輝が言ったことから滅多に後背位ですることがなかったが、珍しくもリクエストする侑一に輝は首をかしげた。 「セックスに夢中で、忘れたか?俺の番は全く」  番、を強調され、ぼんやりとした頭でもハッと気づく。 「あ、いや……なんかもう侑と親友で恋人ってことでお腹いっぱいというか」 「何言ってるんだ。この期に及んで噛むなと言われたら泣くぞ」  抵抗する間もなく、くるっと体を返される。  まあ、抵抗する気もないけれど。  背中に侑一の体温、重さが伝わってくる。 「輝……輝、俺もお前を失うのが一番怖かったよ」 「んん……もう、大丈夫だから……」  切なげに囁く侑一を抱きしめてあげたい気持ちになるが、叶わない体勢に輝も切なくなる。だからこそ、早くまた中に挿れてほしかった。 「侑、侑一、愛してる」 「俺も愛してるよ」  さっきまで入っていたそこはまだ柔らかく、侑一を難なく受け入れていく。先程出した侑一の体液が更なる潤滑となりぐちゅぐちゅと音を立てるのが卑猥で煽られた。 「あぁっ……侑っ、早く、番にっ……」 「噛むぞ、輝。いいんだな?」  最後の最後まで輝の気持ちを聞く侑一に、微笑する。  案外臆病な番に、輝は肯定の代わりに後ろ髪を避けて項を曝け出した。  かぷり。  グッと犬歯が項に食い込む。痛いはずなのに、熱くて熱くてそれどころじゃない。 「あぁっ」  噛まれたところから何か流れ込むような感覚がして、輝は目を見開いた。  ふー、ふー、と侑の激しい息遣いが聞こえる。  いつの間にか、輝の前は白濁を飛び散らせていた。  それでも、まだ欲しい。  侑一がようやく項から口を離すと、輝の体をひっくり返して前から抱きしめてきた。ようやく唇どうしをくっつけることができる。ぴったりと合わせた肌は、元は一つだったのではないかと思うくらいしっくりくる。そのことにひどく悦びを感じた。  興奮はなかなか醒めやらず、夜が更けるまでお互いを求め合った。

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