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第27話

 自分がαで、輝がΩ。  ということは、輝と結婚できるし輝が望んでくれたら子どももつくることができる。  未来が薔薇色に見えた。  ただ、輝は初めての発情期に怯えていた。次もいつ来るかわからないと。  そのときはそばに居たいと強く思った。  ひとりで苦しませたくないし、ましてや誰にも掻っ攫われないようにしなければならない。  幸にして、輝がΩであること、発情期を迎えたことは校内ではまだ知られていない。  中学生になるまでは、誰も気づかないだろう。  そして、その日はそれから一年と半年が経ったときに訪れた。  朝方、学校へ行く準備をしている最中に、輝から一通のメールが携帯に届いた。 『発情期が来たから、学校休む』  今すぐに輝の元へ走って行きたかったが、ぐっと堪えて返信を打つだけにとどめた。 『わかった』  放課後、ホームルームが終わると同時に教室を飛び出て輝の家に向かった。  玄関のチャイムを鳴らす指が震える。 「あら、侑一くん。いらっしゃい」  輝の母親がドアを開けてくれる。だが、すぐに侑一を中に入れてはくれなかった。  一年半前と同じだ。だが、侑一は何も知らなかった小学生のままではない。 「おばさん、こんにちは。輝、いますか?」 「こんにちは。来てくれて嬉しいのだけれど、ちょっとあの子、体調が悪いみたいなの」  だからまた今度、という言葉を遮って侑一は言った。 「えっと……アレ、ですよね。輝から匂いがしていたんで知ってます」  ハッとした顔をしたのを、侑一は見逃さなかった。発情期という言葉を出すことは憚られたが、どうやら通じたらしい。 「侑一くん、とりあえず入って」 「はい。お邪魔します」  リビングに通され、ダイニングテーブルに座るよう促される。 「侑一くんは、αなのね?」 「そうです。おばさんには言っておきたいんですけど、輝は俺の運命の番だと思うんです」 

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