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第29話

「輝、俺だよ」  中からか細い声が聞こえる。 「ゆぅ……?」 「うん。開けるぞ」  少しドアを開けるだけでも、ぶわっと輝のフェロモンが溢れ出てきて侑一の体にまとわりついた。  部屋の中に滑り込み、すぐにドアを閉める。  甘い、香り。  その主はベッドの上にいた。 「どうして、来たの……?」  体が辛いのか、枕を抱きしめている。その姿を見て、侑一のαとしての本能、庇護欲が掻き立てられる。 「輝を、助けるために」  思わず駆け寄って、華奢な体を抱きしめてしまった。甘美な香りを胸いっぱいに吸い込む。  輝の体は硬直したが、抵抗はない。 「助けて、くれるの?」 「もちろん、親友だから」  のちに自分、そして輝を苦しめてしまう「親友」と言う言葉を、必死にアピールしてしまった。  輝は納得したのか、力を抜いて侑一に体を預ける。 「侑……体が熱いの、何とかして」  肩口に、熱い吐息を感じたらもう止まらなかった。 「脱がせていいか」   口では優しくしようと努めているのに、体は返事を待たずして輝のパジャマを脱がせにかかっている。  ボタンを外すのもまどろっこしくて、二つ目のボタンまで外した後は上に引っこ抜いてしまった。  輝の裸体を直視してしまった侑一は、めまいを覚えそうなくらい感動した。  白い肌に、ふた粒の赤い果実。  あまりにも扇情的な情景に、我慢を忘れて右側の果実をむしゃぶりつくような勢いで口に含んだ。 「あぁっ!やっ、そんなとこ……!」  舌でなめ転がしたり、ちゅうっと吸ったりと思う存分可愛がる。上から降ってくる甘い嬌声が、さらに興奮を掻き立てる。  両側の乳首ともが唾液で濡れてぷっくりと立ち上がったころには、輝の息はもう絶え絶えだった。 「輝、気持ちいいか?」 「んっ、知らない……こんなの」  もじもじと太腿を擦り合わせる仕草を見て、ちゃんと気持ちよく感じてくれているのを知って悦びが溢れてくる。  すぐに下半身もズボンと下着を脱がせて生まれたままの姿にさせた。

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