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第37話
「侑の写真こそ、俺しかないじゃん。あ、これ、いつ撮ったの」
視線が全くカメラを向いていないところを見ると、隠し撮りされているのだろう。寝ている写真まである。
「俺の秘蔵コレクション。実家には俺とお前のアルバムもあるから」
「え、十五年分?」
「当たり前だろ。今度見にくるか?」
「うーん、まあ、侑の写真もあるなら見る。というか、侑は俺のストーカーだったのか」
ストーカー、と言っても侑一は否定しなかった。ただ、不安を覚えたのか輝を抱え直し、がっしりと腕の中に閉じ込める。逃げるつもりは毛頭無いのに。
「引いたか?」
「いや。愛を感じる」
「さすが、俺のハニー」
「ダーリンの愛が深くてハニー嬉しい」
くすくすと二人で笑う。
いい具合に酔っ払ってるなあと思う。
「それで、俺が輝に飽きるはずがないと信じてくれるか?」
「うん。逆に、俺の方がちゃんと侑を捕まえておかなきゃ……」
侑がいないと死んじゃうと言って、侑一に抱きついた腕に力を込める。
「じゃあ、愛を確かめ合おうか」
横抱きであることをいいことに、侑一は輝を抱きかかえたまま立ち上がる。
足早に向かったのは、侑一の部屋にあるベッドだった。
ベッドに輝を下ろすと、すぐに輝の上にのしかかってきた。
侑一の匂いが濃くなる。輝のフェロモンもそれに誘発される。
「いい匂いだ」と言って輝の肩口に鼻を埋めてくる侑一の頭をクシャクシャと掻き乱す。
反撃とばかりに、鎖骨のあたりをキツく吸い上げられた。
「んんっ」
Tシャツを捲ると、胸から臍の辺りへといくつもの痕がつけられる。昨夜の跡もまだうっすらと残っているというのに。
でも、こうして独占欲をあからさまに見せつけられるのは悪い気がしなかった。
「ゆ、侑……」
「うん?どうした?」
とびきり甘く問われて、胸の鼓動が速くなる。
「俺も、侑のこと、食べたい」」
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