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第6話 VTuber兎月アイの強制顔バレ生配信

「あの…カミヤさん…」 『久しぶり。もう連絡はくれないのかと思ってたよ。元気にしてた?』 以前通りの優しくて低い声で聞かれて僕はもう涙が溢れてきた。 カミヤさんが怖い。 でも、今の状況をなんとかしてくれるのもカミヤさんしかいない… 「カミヤさん…うぅ、手紙…入れたのカミヤさん?グスっ…なんでこんなことするのぉ?」 『手紙?なんのこと?だって君の家を知らないんだもの手紙なんて出しようがないでしょう』 「嘘…嘘…!僕の配信で…に、肉…便器って書いたのもカミヤさんなんでしょう?」 『アイ君。落ち着いて、どうしたの?俺が聞いてあげるから直接会おうよ』 「いや!もう誰にも会いたくない。怖い…うぅっ」 『アイ?ねぇ、俺は味方だよ。困ったことあるなら助けてあげるから。不安なら…誰か信用できる友達も一緒に呼んでもいいよ。そんなに怯えて可哀想に…」 「友達…?だめ…絶対だめ!!やっぱりカミヤさんと会う。ふぇ…ぇえ」 『泣かないで、よしよし、怖いことがあったんだね。俺が守ってあげるから…』 カミヤさんはきっと嘘をついてる。もうどうせバレてるから、家の場所を教えて迎えにきてもらった。 でも、なんで僕はいつも通り食事してホテルに行くって思い込んでいたんだろう。 カミヤさんはその日食事には行かず、カミヤさんの自宅に僕を連れて行った。 ホテルにも一緒に行ってるくらいだし、自宅に行くくらい何ともないと僕は思っていて、それに今は何もかもが怖くて、外で他の人目に触れるのが嫌だった。 カミヤさんの部屋はイメージ通りの広々としたタワーマンションの高層階だった。いくら叫んでもどこからも苦情なんて来なそうな防音のしっかりした部屋。 コーヒーを淹れてもらって、カミヤさんと会わなくなってからの話をした。 カミヤさんはうんうんと頷きながら聞いてくれた。 でも僕は半分はカミヤさんがやったと思いながら話してた。 カミヤさんは全部聞き終えると、僕を抱きしめて言った。 「そうか…怖かったね。でも、俺から離れようとするからこうなるんだよ」 僕は涙でぐしゃぐしゃの顔でカミヤさんを見上げた。 カミヤさんは笑っていた。 「や…やっぱりカミヤさんが全部やったんだ…?でもなんで?酷いよ。僕がどれだけ怖かったか…」 「わかってる。だからもう、これからは俺の言うことは何でも聞いてね?わかるよね?もし刃向かったらどうなるか…皐月夕兎くん?」 名前…! 僕は頭から水を浴びせられたようにゾッとした。 逃げられないんだ… もう家も知られてて、本名もバレてる。 「何をしたらいいの…?」 僕は観念した。 「みんなこんばんは~!兎月アイだよぉ。今日も元気に配信はじめるぴょんっ」 配信が始まり、チャットが流れていく -こんばんは~ -あれ?アイアイ画像出てないけど大丈夫そ? -どしたー?画面暗いよ -画面真っ暗 -こんばんはアイちゃん 「あ、大丈夫~。機材ちょっと壊れてて…あはは、ごめんね今日はアイの顔見せられなくて…」 -草 -草 -顔見たかった 「き、今日は…いつもと違う事やってみるよぉ」 -えなになに? -なんだ -なに~ 「ワタシの…前世の姿を…みせます」 -草 -やば、中の人ってこと? -おっさん無理すんな -何?どした? -おっさん出てきたら目が潰れる 「じゃあいくよー。3…2…1…!」 カメラに掛かっていた目隠しが外れて画面が室内を映した。 僕の姿も映ってる。 もう死にたい…! 僕はカミヤさんの指示で、兎月アイの衣装を着せられていた。 イラストを元にミニスカートの丈やガーターベルト、リボンなど細かい部分まで忠実に再現してあった。サイズも僕にぴったりだった。 ウィッグも付けていて、全身を鏡で見るとまるで兎月アイが画面から出てきたようだと我ながら思った。 今は、自作のキャップを目深に被ってるから多分、知り合いでもない限りは僕ってわからない。はず。 でもこんなのネットで流れたら最後、半永久的に画像は残るだろう。 恥ずかしい…恥ずかしい… -え?まって -かわいい -アイちゃん?本物? -女の子? -●REC -かわいい -え?おじさんやないぞ -本物きた -本物だ -おじさんどこ 「あ…アイ…です」 -しゃべった -かわいい -声低いね -声男? -おっさんじゃなくて男の娘か -てぇてぇ -中の人だ -しゃべっとる -かわいい この格好なら性別不詳でいけるかと思ったけど、さすがに声でバレた。 「あ…ぁ!ごほ、ごめんなさい。あんっ」 僕は今お尻にローターを入れられたまま配信させられていた。 それでカミヤさんが度々スイッチをいれるので、椅子の上でビクッとなってしまったのだ。 チャットの方では大丈夫か心配する声が上がった。しかし一部の人間は僕が何をしてるか気付いたようでチャットが荒れ始めた。 -やばいこれもしかして -えちえち -えっち -草 -大丈夫?顔赤い 「あ…ぁあっ…あの、今日は…ぅんっ、具合が悪いからもうや、やめま…しゅ…ふぁあんっ♡あっやぁ、だめ!」  -やばい -えち -●REC -えっち -●REC -●REC バストショットで顔くらいしか…しかも鼻から下しか見えないし、バレてないはず。お願い…神様! やだ、皆の前でイキたくないっ! ブィィイイイン! 「あっあ…!ああっ♡んん」 僕は俯いて座ったままイった。 ビクッビクッと身体が震えたから分かる人には分かってしまったと思う。 死にたい…死にたい…何でこんなこと… また涙が滲んで来た。 知らぬ間に背後にカミヤさんが立っていた。 角度的にカミヤさんの顔は映らない。 そして何を思ったのか僕の顎に手をかけ、キャップを外してカメラに僕の顔を映した。僕は一瞬何が起きたのか分からず呆然とした。 そしてカミヤさんがその直後に無言で配信を止めた。 僕は後ろを振り返ってカミヤさんに掴みかかる。 「いや、いやぁあああ!や、なんで!!?言うこと聞いたのに!か、か、顔、顔バレし…っひ、ひぃ…どうしようどうしようぁ…ああっ」 もう何もかも終わりだ。 僕の顔映っちゃった…しかもイッた直後のだらしない顔。最悪最悪最悪最悪!!! 「帰る!もう知らない!」 僕は冷静さを失い、ウィッグを床に叩きつけて衣装も破く勢いで脱ぎ捨てた。 「最低!嘘つき!死ね!!」 でもそんな僕の抵抗などカミヤさんにとっては取るに足らないものだった。 「今の動画のアーカイブと、これまでセックスした時のハメ撮り動画をばら撒かれたいのか?嫌なら戻れ」 「ぅ…うう、うぅうあああ…」 僕は床に泣き崩れた。 結局その後、兎月アイの衣装のまま犯された。 この状況でなお、カミヤさんの声と愛撫に感じてしまう自分の体を呪いたくなった。

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