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第12話 社長からの呼び出し
「あっあっ瀬川ぁ、そこもっと…」
「ここ?夕兎…こう?気持ちいい?」
「あっ、いい!気持ちいいっ」
僕と瀬川はベッドに二人で向かい合わせに横たわり、お互いの性器をしごいていた。
「はぁ、はぁ…もうイキそう、また好きって言ってぇ♡」
すると瀬川は耳に唇が触れるほど近くで囁いてくれる。
「いいよ。好きだよ夕兎…好き、可愛い」
低い声が腰に響いてゾクゾクする。
「ああっ♡いいっ瀬川の声いいっ♡気持ちいいっイク、イクっ」
僕の喘ぎに応えて瀬川が性器を扱く手を速める。先走りで濡れた先端がグチュグチュと音を立てるのがいやらしい。
「イッて、夕兎」
耳元で息をかけられながら言われて僕は我慢できず射精した。
「んん~っ!あっ…♡」
白濁が瀬川の手を汚す。
「いっぱい出たね?俺のももう少し…できる?」
「あ…出来る…ここがいい?先っぽ?」
僕は瀬川のペニスの先をいじる。
「先っぽが良い…」
クニクニ、こしこし…
「ん…いいよ…もう少し強く」
「これくらい?」
グニ、グニと両手で強めに先端を揉む。
「……もっと強くして…」
にちゅっにちゅっにちゅっ
片手でしごいて、もう片方の手の平で先端をぐりぐりと撫でる。
「あ、出るっ」
瀬川のペニスから精液が溢れ出た。
僕はそれを零れないように手で掬う。
瀬川は僕の耳元で荒い息を吐いていた。
「気持ちよかった…?」
「ああ、良かったよ夕兎」
「んっ…」
あ、またキスしてくれた…
セックスしなくてもこうやってキスしたり触ってるだけで気持ちいい…瀬川の声ってすごい。
僕もしかして瀬川のこと好きなのかも?
「はぁっ瀬川…もう1回したい…」
「さ、皐月待って。ダメだよ。この前も大事な話出来なかったじゃん」
「ええ?少しだけ…」
「ちょっと、そういう顔で見ないでくれ。だめだよ」
「お願い…♡」
そんなやりとりをしていたら僕のスマホが音を立てて振動した。
ちぇ、うるさいなぁ…と思って画面を見て凍り付いた。
「瀬川っ!どうしよう、カミヤさんからだ」
「電話?メッセージ?」
「ビデオ通話…どうしよう!?」
二人で顔を見合わせる。
「俺隠れるから、出た方がいい」
「でも…っ」
瀬川に汚れた手を拭かれ、乱れた服も整えられる。
「怪しまれるから早く!」
「わかった……」
通話ボタンをタップする。
瀬川は映らない位置に身を潜めた。
『ああ、出ないかと思った』
「カミヤさん…どうしたの?」
『君の顔が見たくてね』
「…………用事?」
『冷たいなぁ。用事がないと電話もしちゃいけないの?』
「そんなことは…」
『今度の金曜の夜また迎えに行くよ』
「え!?」
『先週のような素敵な配信をまた一緒にやろう』
僕は先週のことを思い出してゾクっとした。
あれをまたやるって?冗談だろ。
「カミヤさん…僕、あんなのもう無理だよ」
『楽しみにしてるよ』
「でも…」
『夕兎?断ったら君のいやらしい映像を全世界に配信だよ?』
「やだっ!やめて!!わかったから!」
『ああそうだ、そろそろ身体が辛いだろう?俺が見ててげるからそこでオナニーしなさい』
「え…は?」
『ほら、下着を脱いで。俺のを見たいか?』
「え、なに言ってんの?やだよ」
この人どうかしてるよ!
『お前は淫乱だからな。もうヤりたくて仕方ないだろう?今入れてやれないから自分でしろと言ってるんだ』
「だ、だから嫌だよ!そんなのいいよ!」
『どうしたんだ?今までなら俺の声を聞いたらすぐに欲情していたくせに』
「あんなことされて、カミヤさんのこともう怖いとしか思えないよ!」
『やれやれ…まだわからないのか?言う通りにしないと…』
「ちょっと待ってよ、金曜は行くっていったじゃん。それで勘弁してよぉ」
僕は必死でお願いした。
『自分の立場がわかってないようだな。さっさと脱げ』
「うう…」
仕方なく言うとおりに下着を脱いだ。
こんな奴相手に勃つ自信がない。
「相変わらず綺麗な脚だな。今すぐ舐めたいね」
前はこの声に興奮してたなんて信じられない。
ただただ気持ち悪い…。
結局言われた通り射精するまでやらされた。
最悪だよ…瀬川も部屋にいるのに。
隠れてるから見られてはいないけど…死にたい。
通話が切れて、僕は泣き崩れた。
「うぅっ…ふ…」
膝を抱えて泣いている僕の方に瀬川が近づいてきた。
「来ないで…僕のこと見ないでお願い…」
別に瀬川は僕のことなんてなんとも思ってない。
瀬川が好きなのはアイだし、僕が酷い目に遭っても関係ないってわかってる。
でもカミヤさんに犯されたのを見られたみたいですごく嫌だった。
「あっちいって…」
でも本当は行って欲しくなかった。
「皐月…」
「うう…っ悔しい…ぅ…」
瀬川は僕をぎゅっと抱きしめてくれた。
「ごめんそばにいたのに助けられなくて。俺…まじで腹立ったから絶対金曜日に社長をなんとかするよ」
「でも…どうしたらいいの?」
「なぁ、さっき考えてたんだけど…金曜って親居るの?」
「うちの親?いや…しばらく海外だから帰ってこないよ」
僕は涙を拭いながら顔を上げて答えた。
「じゃあさ、配信を皐月の家でしたいって言って社長をここに呼べないかな?」
「…それでどうするの?」
「俺が家の中に隠れてて、油断してるところを捕まえる」
「え…?そんなことできるの?」
「うーん。さすがに俺一人だと取り逃がす可能性あるからさ。助っ人頼んで良い?」
「助っ人?」
「4組の進藤」
瀬川とたぶん一番仲の良い生徒だ。
僕のことなんて助けてくれるかな?
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