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第13話 助っ人現る
「金曜?空いてるからいいよ、別に」
進藤は助っ人をあっさりOKしてくれた。
しかも、この面倒くさい状況を聞いても顔色ひとつ変えなかった。
ちょっと変わってる人なのかな…?
「でも捕まえてどうするの?」
進藤の疑問に瀬川が答える。
「皐月の動画を全部削除させる」
「でも、どこにバックアップ取ってるかわからないよね?」
「うーん」
あ、僕閃いた!
「じゃあ見られたくないシーンを撮って逆に脅すとか!たとえば、僕のこと押し倒して犯そうとしてる写真とか」
「あー、お互いチャラにするってことね」
すると進藤が不思議そうな顔で聞いてくる。
「皐月はそれでいいの?警察に突き出したりしなくても?」
「そんなのいい、いい!」
僕は首を振った。
「だって大事にしたくないもん。親にバレたら怒られちゃうし」
僕の発言に呆れた瀬川が返してくる。
「あのなぁ、バレたら怒られるなんて言ってるやつがやる事かよ?今までのアレコレ」
「それはそうだけど~」
僕たちがワイワイやってると進藤が突っ込んでくる。
「あのさ、これ立派な犯罪だけどそんな軽いノリでいいの?この変態、野放しにしたらまた何かやらかしそうだけど」
うーん、たしかに。
そもそもあの配信のときも手慣れてるっていうか、もしかしてこういう目にあってるの僕だけじゃないかも?
「まぁ、別に俺たちの知ったこっちゃないか…。いいや、とりあえず皐月の案でいこう」
進藤って、やる気あるのか無いのか不思議な奴だな。
そして僕はカミヤさんに連絡した。
金曜は親も居ないし、機材が自宅にある物のほうが使いやすくて画質もいいしって話たらカミヤさんは乗り気で僕の家に来ることになった。
当日は学校が終わってから3人で帰宅した。
配信が始まってしまうとまずいので、その前にカミヤさんを捕まえる予定。
カミヤさんとの約束は20時、配信開始予定は21時だった。
たぶんまたカミヤさんは衣装を持ってくるから、それに着替えたりヘアメイクをするのに1時間みてるんだと思う。
「一番油断するのってどのシチュエーションかな」
家でご飯を食べ、20時になるまで待っている間に瀬川が口を開いた。
「エロいことしてるとき」
進藤がどきっとすることを言った。
でもたしかにそうかも。
「あー…じゃあ、捕まえる前に僕を押し倒してもらって、そこを撮影してからの捕獲とか?」
「それだ」
「いいね」
というわけで、僕が着替えてメイクもバッチリした後、カミヤさんを誘う。
それで押し倒してきて、服を脱がされそうになった辺りで2人が入ってきて取り押さえる。
カメラは昔使ってて最近使ってないのがいくつかあるから予め何箇所かに設置しておけばいいよね。
立ち位置や、カメラの位置を確認して、19時半を回った辺りでインターホンが鳴った。
「え?!もう来ちゃった!」
「うわ、おっさん前のめりすぎだろ」
「いいから隠れろ」
バタバタと男2人は隠れ、僕は玄関に迎えに出た。
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