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第2章 独占 04※

膝を掴んで強引に開かれ、中央のソレを口に含まれる。 「っゃ……あ……ア……」 一気に押し寄せる感覚に頭が真っ白になった。結月さんの熱い舌と唇で上下に擦られながら、体液に濡らした指で容赦なくナカを責められる。 僕の弱いところを知っている彼にとっては、絶頂に導くことなんて容易い事だ。数分も経たないうちに僕は熱を吐き出してしまった。 乱れた呼吸を整えていると、結月さんが僕の汗ばんだ髪を梳き、頬に軽くキスをした。 「……亜矢は俺がいないと本当に駄目だな」 結月さんがふっと笑ったかと思うと、一転して表情が変わる。……恐ろしいほどの、冷たい瞳。 「これで分かっただろ?」 いきなり低くなる声。一体何のことを言っているのか、解らない。 「……結月さん?どうし……」 僕の問いを、感情を押し殺したような重々しい声が遮った。 「これが本当の亜矢なんだよ」 今まで自分に向けられていた彼の目が動く。 僕はその視線の先を辿った。 目に映ったものが信じられなかった。 ――そこに居たのは。 「っ沙雪さ……ッ……ア!……」 突如、脚を持ち上げられたかと思うと、馴染みのある圧迫感に襲われる。硬くて熱いモノが、ピンポイントで花芯を突いた。 「ッヤ……ゆづっ……あっんん……」 結月さんに全身を揺さぶられながら、僕はドアの方に目を遣った。 ――沙雪さんが見てる……。 秘密にしてきた僕と結月さんとの行為。 そして、僕の本当の姿。 「っい、や……見、ないでっ……!!」 こんな姿、見せるの結月さんだけだったのに。 特別、だったのに……。 嫌だ、嫌だ。他の人に見られたくない。……感じるな……!! 痛いほど心が叫んでいるのに、容赦ない腰の動きに、簡単に快楽へと誘われる。 せめて声だけは聞かれたくない、と必死に口を覆う。すると、その手を掴まれ、指を絡めたまま顔の横に固定されてしまった。 「声抑えるな。いつもみたいに、もっと啼いて……」 耳元で低く囁かれる。その言葉に目の前が真っ暗になった。 「結月さん……ど、して……?」 結月さんの顔を見ると、険しく歪んだ表情で僕を見下ろしていた。 ――どうしてそんな顔を……。解らない、結月さんが……。 瞳で訴える。すると、それに答えるかのように、絡めた手に力が篭った。 「……亜矢にとって俺が、どれだけ特別かを、あいつに思い知らせてやる」 そう呟くように言った声は、まるで氷のように冷めていた。 何かが終わってしまう気がした。 それでも僕は為すがまま、彼に身を委ねるしかなかった。 そこに居る沙雪さんの存在さえも忘れてしまう位に、激しく、激しく抱かれた。

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