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最終章 萌芽 16

《perspective:亜矢》 無情にも、1週間はあっという間に過ぎ去った。 ストラスブールのホテルはすべて足を運んだ。しかしセキュリティの関係上か、名前はもちろん、彼と思われるゲストが滞在しているかどうかも教えてはくれなかった。店のスタッフに聞いてみても、曖昧な答えばかり返ってきて、確かな情報はまったく得られない。 そこに暮らす人々だけでなく、様々な国の観光客がいる人混みの中から、たった一人を探すのは思っていたよりも簡単ではなかった。初めての慣れない土地では、それをさらに難しくした。 そして、約束のリミットまで残り3日。 手掛かりすら掴めず、焦りばかりが募る。 パリに行ってみようか。いや、あてのない状況で大都市に行っても、徒労に終わってしまうかもしれない。此処(ストラスブール)から離れずに、彼が来てくれることに賭けるか……。 鈍色の空を眺めて、これからのことを考えあぐねていた。

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