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第18-1話北の森の正体
衣服を剥ぎ取る時間すら惜しそうに、大小様々な触手がグリオスの体を這い、手足に巻き付き、衣服ごと撫で回して淫靡な体を煽っていく。
口に触手の先端を捻じ込まれると、甘い体液が中へ広がり、その甘美な味わいに頭が浮遊するような錯覚すら生まれてしまう。
もっと舐めたい衝動に駆られ、グリオスは自ら舌を絡めて熱く舐り、頭を前後に動かして扱いていく。すると柔らかだった触手の芯に硬さが生まれ、ピュルリ、と粘度のある液体が放たれる。
より甘くて、芳醇な液体。熟れに熟れた果実に噛り付いた時のような幸福感に、思わずグリオスはうっとりとしてしまう。そんな時、
「グリオス、ずるいー。そんなエロい顔して見せつけるなんて! もうオレ、ガマンしなくていいよね? だってグリオス、感じまくってるもの」
エルジュの声にグリオスは我に返る。
ここで触手の快楽に呑まれてしまえば、何もかもお終いだ。
スライムなんかとは比べ物にならないほどの物量に圧倒され続け、ボロボロに朽ち果てた身を延々と嬲り続け、人の体内に卵を産み付け、出産させるための栄養を常に送り続ける――そんな魔物が存在すると、グリオスは本で見たことがあった。
そこに書かれていたのは一本の木ほどの大きさの魔物。名はローパー。
本体は岩に擬態し、獲物が近づいてきたら無数の触手で捕えて望みのままに嬲るという。
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