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第24-1話身に起きている異変

 夢の中とはいえ、丸腰で魔物と対峙するのは厳しい。  武器は己の体だけ。いつ襲われても反撃できるように、グリオスは腰を落として構えを取る。  殺気立つグリオスとは反対に、インキュバスは緩やかに着地する余裕を見せながら、微笑みを崩さず親しげな空気をまとってくる。 「君は素直ではないねえ。本当はもっと抱かれたいのに、その思いを無理に捻じ伏せて強がり続けている。我ら魔族の淫靡な力に何度も侵されながら、想う男の陰茎でたっぷりと可愛がられて……普通の人間ならば我を失い、快楽を求めるだけの獣に成り下がるのだがな。よく自分を保てているのは素晴らしいことだ」  声に抑揚をつけて大仰に告げてくるインキュバスをグリオスは睨みつける。  苛立ちが止まらず、湧き上がるまま表に出していたが、 「……飽きられ、離れてしまうことを恐れているのだな。今の自分だからこの関係を続けていられるのに、感じるままに愛されたいと望んでしまえば、麗しの勇者が離れていく……健気なものだな、戦士グリオス」  違う。ふざけたことを言うな!  怒りのあまりに唇が戦慄くばかりで声が出せない。  心の中で怒声を放つグリオスへ、インキュバスが一歩近づく。 「気づいているか? お前の体に魔性が宿り始めていることを」

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