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第26-1話※エルジュの本音

   ◆ ◆ ◆ 「もう起きてるかなーグリオス……あ、まだ寝てる」  外出から戻ってきたエルジュは、部屋へ入って真っ先にグリオスの様子をうかがう。  仰向いて目を閉じたまま。身じろぎすらしない。  ベッドに腰かけて完全に寝入っているグリオスを見下ろし、エルジュは小さく息をつく。 「さすがに今回は無理させちゃったなあ。でもさ、仕方ないよ……素のままのグリオスを抱けるなんて、初めてだったんだし……」  ボソボソと小声で呟きながら、グリオスの頬を軽くつつく。  巨大ローバーを倒した後、応急処置で森の中で淫らに交わり、宿についた後は本格的にたっぷりと体を繋げて――一度気絶して、目覚めた後からは素のグリオスに戻っていた。  しかし気だるげに見上げてくる顔がいやらしいままで、引き寄せられるように手を伸ばせば、恥じらいを見せながらもよがってくれて、エルジュは嬉々としてグリオスを貪り続けた。  ほんの少しだけ手応えが得られた。村を旅立って四年経ってようやく――。  エルジュの顔に苦笑が浮かぶ。 「……気づいてよ、グリオス。オレがどうして魔物のワナにかかりたがってるか……もうハッキリと言っちゃおうか。こんなにヤってるんだもの。オレから離れられなくなってるだろうし」  自分でも自覚できるほどの容姿と力を授かり、その気になればどんな美男美女でも手に入れられるという確信はある。  だが自分から本気で誰かを求めたいとは思わない――たった一人を除いては。

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