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第35-2話見せつけられて
目を背けたいのに、魔物の痴態に引き込まれてしまう。
ふと魔王の肩越しにインキュバスがグリオスへ目を合わせ、妖しい笑みを送ってくる。
言葉にはしないが『次はお前の番だ』と告げられた気がして、グリオスの鼓動が速くなり、全身が熱くなる。
どんどん酷くなる体の疼きに腰がもぞもぞと勝手に動いてしまう。わずかに股間へ刺激が伝わり、淡い快感が広がる。だが望むものからはあまりに遠く、もどかしさを覚えてしまう。
目の前では魔王が悦びのままに喘ぎ、インキュバスに愛でられ続ける。
もう何度も吐精したのか、魔王の股間では半勃ちしたものが淫らな液を零しながら、左右に揺れている。快楽に、インキュバスという雄に屈服した証だった。
次第にインキュバスが魔王の奥を小刻みに突き始め、そして根元まで魔王の中へと捻じ込み、激しく貫いた瞬間、
「あぁぁぁァァァ――ッッ! ……はぁ、ぁ……ぁぁ……」
笑いに顔を歪めながら魔王が大きく達する。
一瞬全身を強張らせ、大きな快楽に呑まれている最中の魔王を、インキュバスは緩やかに奥を突き続け、より長く絶頂を与えてくる。
そして魔王の体は弛緩し、ぐったりとうな垂れる。
誇りも、男としての本能も、インキュバスによって手折られた哀れな姿。
――なのに今はそれが無性に羨ましく、グリオスをどこまでも煽った。
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