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第39-1話真実は体に聞くしかない
「ぁ……わ、分かったから……っ、今は、離れてくれ……早く、ここを出ないと……」
体を押し付けて喘ぎたくなるのを必死に堪えながらグリオスが訴えると、エルジュは「分かってるよー」と緊張感のない声で一笑する。
「夢の世界だとインキュバスにオレの力が効かないんだよねー。どうしよっか?」
「無策で来たのか! もう少し後先考えて……ッ……」
「怒らないでよーグリオス。他のヤツに取られたくなかったんだもの、落ち着いてなんかいられなかったんだって」
言いながらエルジュに頭を撫でられ、額にもキスを送られ、グリオスの体がその都度ビクンッと跳ねてしまう。
理性が溶けてグリオスの体が、エルジュにされるがままになりたがっていると、
「ここまで来るとは思わなかったが、それこそ俺たちの思うつぼ。淫魔の夢に二人まとめて堕ちるだけだ」
一旦交わりをやめ、膝の上にぐったりとした魔王を乗せたインキュバスが、不敵に笑いながら告げてくる。
「ここでお前たちが睦み合えばグリオスに埋め込んだ種が移り、二人して魔へと堕ちる。どれだけ抱いても互いに満たされず、俺の精を欲し始める……我が精は尽きぬから、いつでも応えてやろう」
おもむろに魔王の脚を大きく開き、インキュバスは白濁の液に塗れた後孔をクニッと指で広げる。
とろぉ……と孔から零れる淫らな情事の名残りが、グリオスの頭を犯しにかかる。
あんなに中へ……ずっと終わらず、あれが注がれ続ける――。
体の奥が激しく疼き出し、エルジュとの再会よりもインキュバスへと本能が囚われていく。
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