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巨体男
放課後のルーティンはいつも決まっている。
性行為を目的とした掲示板で相手を引っ掛ける時もあれば、外で声をかけられてそのままついていくこともある。
そして雪自身が必ず性行為をする時に決めているルールがある。
一つ目は、偽名の"ホタル"と名乗ること。二つ目は一度ヤった相手と二度と寝ないこと。三つ目は、一晩につき五万円貰うこと。
本名を教えれば、ストーカーや何かしらのトラブルに関わることが面倒くさいし、リスクが高まるから。
一度ヤった相手と二度と会わないのは、相手が圭に変な愛着を持たれたくないから。
一晩につき五万というのは……。
それが自分の価値だから。
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学校から一度自宅へ戻り、私服へ着替える。
今日は新しくメッセージが来ていた男との約束があるため、指定された時間と場所へと向かった。
指定された場所は、街の繁華街で近くにラブホテルがあった。"今夜はあそこのホテルに行くのかなー"と心の中で呟けば、目の前に1人の男が立っていることに気付く。
「君がホタル君?お待たせしちゃったかな?」
目の前に現れたのは、身長こそ雪と変わらないが、体重が100キロを超えていそうな巨体をしていた。既に荒い息遣いと汗の臭いで、今日はハズレだと思った。
そんなハズレくじを引いたことを悟られないように男の手に雪自身の手を伸ばし、顔を伏せながらも"早く行こ"と男に告げた。
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