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弱った身体

佐藤side 昨日見た高木雪の姿はいつも学校でみせている姿とは違い、どこかが悲しそうだった。 普段から一人でいるような子だが、それ以上に何か引っかかるものを感じだ。 昨晩の三島との飲み会は、ひたすら彼の愚痴を聞き続け、最後に酔っ払った姿をみて即座にタクシーで見送った。 雪と一緒に居た巨体の男の存在を聞こうと思ったが、あまり突っ込んでいいのかがわからなかった。だが近くにラブホテルもあったし、場所が場所なだけに、どうしても引っかかってしまう。 そう思いながら授業の準備をしていると、正に今考えていた高木雪が現れた。今日の朝のホームルームの時から気になってはいたが、どこか体調が悪そうだ。 目があったと同時に立ち上がった雪は、既に自分の視界から消えていた。と、共にドスッと鈍い音が聞こえ、一瞬息を飲むと、床に倒れた雪に即座に近寄った。 「…っはぁ…っはぁ…っ…」 顔が赤く、息も少し荒い。 身体全体が少し震えている。 首元に手を当てるとすごい熱を持っていた。 やっぱり朝から体調悪かったのか、と雪を横に抱きかかえて保健室へ向かった。

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