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#34_01

「ふふぅ…うん、お勉強するんだよぉ…?」 そんな俺に首を傾げてにっこりと微笑んだ豪ちゃんは、ノートを開いて、隣で勃起した哲郎を見上げて言った。 「ねぇ…ここが分からないの…てっちゃぁん…。ね、僕に教えて…?どうしたら良いの…?分からないのぉ…どうしたら良いのか、分からないのぉ…!」 「そ、そ、そそそ、そこはね…まず…」 イケメン、ナイスバディ、御屋敷に住んでる…そんな隙の無い哲郎君でも…こんなトロけた豪ちゃんは、どうしたら良いのか…困っているんだろう? だって、これは、場数を踏んだ大人が楽しむ様な、そんな状況だ。 現に、うっとりとあいつの腕にしなだれかかった豪ちゃんを、哲郎は退かす事も、触れる事も、撫でる事も出来ないで、ただただ宙に浮かせた荒ぶる手を、小刻みに震わせる事しか出来ないじゃないか…! みなぎる…!目がギラギラする!あらゆる方面のやる気が同時に満ちていく! こんな、すっぽんスープをしょっちゅう飲んでる、そのジジイは何者なんだよ… トロけながらもなんとか勉強を始めた豪ちゃんを横目に見ながら、モニターの画面に目を移して、今朝の続きに取り掛かった。 第二楽章、もう…これに関しては…昨日音符を移した段階で、展望は開けてる。 ドラムラインの強弱を調整する位で良い程に、すでに出来上がっていたんだ。 「はぁ…第三楽章の楽譜…」 ポツリとそう言いながらテーブルの上に乗った楽譜を探すと、豪ちゃんが哲郎を押し倒している現場を目撃して、大声を出した。 「豪ちゃん!何してんだぁ!」 「あぁ…ふふ、てっちゃぁん…硬いの、すっごいのぉ…!」 火が付いてしまった豪ちゃんは、野獣と化した… あわあわと動揺を隠しきれない哲郎の上に体を乗せた豪ちゃんは、トロトロにトロけながら、あいつの股間を握って扱いて、貪り付く様にいやらしいキスをした。 「て、てててててててて、哲郎!豪ちゃんはすっぽんスープを飲んでる!!…今日はこんな感じで、もう…勉強なんて無理だろう!帰れ!帰れ!」 そう言って哲郎の足をバシバシ殴りながらあいつを見ると、哲郎は豪ちゃんの体をまさぐりながら、あの子の細い腰を掴んで自分に引き寄せた。 あぁ… 何て事だ… 罪だ。 すっぽんスープは…罪な飲み物だ… 「こらぁ!」 勢いよく飛びあがった俺は、豪ちゃんをむんずと掴んで哲郎から引き剥がした。そして、あの子を寝室に放り込むと、襖を閉じて哲郎をジト目で見つめた。 「…はぁはぁ…ご、豪ちゃぁん…!」 股間を勃起させた哲郎は、両手をニギニギしながら豪ちゃんが閉じ込められた襖の前で仁王立ちする俺を見つめて言った。 「邪魔すんなよ!おっさん!」 はぁ~~?! 「うっせ!クソガキ!この子はな、今、見境が無いんだ!すっぽんのネイチャーパワーを享受してんだ!健太が、小林先生とセックスしちゃうくらい…すっぽんのネイチャーパワーは諸刃の剣なんだぁ!」 俺のそんな言葉に、哲郎はぐぬぬ…と顔を歪めて、自分の勉強道具を乱暴に片付け始めた。そして、帰るかと思ったら、おもむろに座り直して俺を見つめて言った。 「…だったら、俺は帰らないでここに残る。だって、あんな状態の豪ちゃんを、あんたとふたりっきりになんて、したくないからな…?」 くそ…くそ、くそがぁ…!! ギラついて勃起し続けている俺を見て、哲郎がそう言った。 「はぁ…好きにすれば良いさ…」 勃起したまま格好付けてそう言った俺は、寝室の襖に向かって言った。 「豪ちゃんは、しばらくそこに居なさい!良いか?!出て来たら、めたくそ怒るからな!」 「はぁい…」 すっかりしゅんとした声でそう言った豪ちゃんは、襖を少しだけ開いて手を出して言った。 「…ノート、取ってぇ?」 まぁったく! テーブルに置かれたあの子のノートと教科書を手に取って、“てっちゃん、ムキムキ、カッコいい、はぁと…”と書かれたページを破って、ビリビリにしてからあの子の手に渡した。 なぁにがムキムキだ! 俺だって、胸筋も腹筋も背筋だって、ほどほどにある。 知ってるか?この位の筋肉の付き方の方が…逆に、エロイんだぞ!! ガチムチの体よりも…少しくらい遊びのある体つきの方が…!エロく見えるんだからな!!畜生!畜生! そんな激しい感情をポーカーフェイスの裏に隠し込んだ俺は、眉をピクピクさせながら哲郎に言った。 「襖越しに…勉強したら良いじゃないか…」 「ふん!」 あいつはそう言って俺の脇腹を殴ると、豪ちゃんが少しだけ見える襖の前に行って、勉強道具を広げた。 痛ってえ…まじで、痛ってえ…! くらった鈍いパンチに微妙に体を傾けながら、そんな痛みに震える体をひた隠しにして、テーブルの前にドカッと座って、モニターの画面を睨みつけた。 豪…哲郎と、キスしたな! 怒ったかんな! 沸々と怒りをため込みながら、すっぽんの力と怒りの力を全て創作に注ぎ込む。 「てっちゃん…ごめんね?僕、すっぽんスープを惺山に飲ませる時、駄々をこねるから…お手本を見せて一緒に飲んでたの…。そのせいかな…?なんだか、てっちゃんの体が…あぁ、とっても…ふぅ…エッチに見えて…はぁはぁ…触りたくなっちゃったぁ…」 「あぁあああ…豪ちゃぁん…良いんだよ。いつでも、触って良いんだよ…!」 自分の股間を抑えながら襖に話しかける…そんな情けない哲郎の後姿を見て、留飲を下げた。そして、再び画面に視線を戻した俺は、第三楽章の音符を打ち込んでいく。 すっぽんって…凄い。でも…怖い! そんな畏敬の念を抱きながら音符を打ち込んで、いつもよりも格段に自分の作業スピードが上がっている事に気が付いた。 そして、俺は、再びすっぽんスープへの畏敬の念を強めた。 このまま…第四楽章まで入力してしまおう… そして、すっぽんパワーが切れた後に、我に返った新鮮な気持ちで…情緒を込めた編集作業に取り掛かろうじゃないか! はは!冴えてるな!俺! 驚異の集中力で、あっという間に第四楽章をパソコンに打ち込み終えた。 ふと…哲郎と寝室の襖に視線を動かした。 あれ…? 居ない… 「はっ!豪ちゃぁん!」 慌てて飛び上がった俺は、閉じ切った寝室の襖を思いきり開いて開けた。 何てこったぁ!! 目の前には上半身を脱ぎ切った逞しい背中と…チョコンと乗ったあの子の両手が見えた。 はぁはぁ…と漏れ聞こえる荒い息遣いと、いやらしいキスの音にクラクラした俺は、哲郎を思いきり蹴飛ばして言った。 「なぁにしてんだぁ!哲郎!この、馬鹿野郎!」 「あぁあああ…!!」 リミッターの外れた…野獣と化した哲郎は、俺なんて吹き飛ばす勢いで目をギラつかせて豪ちゃん目がけて襲い掛かって来るから、俺はあの子を抱き上げて、今度はトイレに閉じ込めた。 「だめだぁ!も、もう、帰れっ!」 お前は…すっぽんスープを飲んでないじゃないか?! なのに、どうしてそんなに滾ってるんだっ!! あぁ…可愛い豪ちゃんが、目の前でトロけてるからか… 若い猛々しい肉体と精神には、あんなエロい豪ちゃん…耐えられなかったのか… 言語能力を失った哲郎を縁側から蹴飛ばして追い出すと、あいつが雄たけびを上げて帰って行くのを見送って、トイレへと向かった。 まったく! まぁったく!!

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