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体を揺さぶられて目が覚めた。森は暖かい日差しが降り注ぎ、昨日とはまた違う雰囲気だった。
「おい、さっさと魔法を解除してくれ」
戦士の顔がすぐ近くにあった。
「もうちょっと休んだほうがいいですよ」
「俺は先を急いでるんだ」
不満げな口調で大剣を背負った。
「名前を教えてくれたら解除します」
「···クリスだ。これでいいだろ」
意外にもすんなり教えてくれた。
「僕はケイです。クリス、よかったらこの世界の
ことを教えてくれませんか?」
「聞いてなかったのか?俺は先を急いでるんだ」
「助けたのにそんな態度とらなくても···」
魔法を解除しようとした時、クリスのお腹から音がした。
「お腹空いてますか?」
残しておいた熊の肉を出すと、目が一瞬輝いた。
「昨日食べきれなかったので、残しておいたんですけどいらないなら僕が食べます」
「···食べたら出るからな」
「分かりました。じゃあ座っててください」
焼いた肉を渡すと、物凄い勢いで平らげた。
「さっきこの世界のこと知りたいって言ってたな」
「転生してきたばっかで何も知らなくて」
「転生者だったのか···」
そう言うとクリスは苦い顔をした。
「あの、何かあったんですか?」
「いや、お前には関係ない話だ」
「関係あるかないかは僕が決めます」
クリスは少し考えて、話し始めた。
「この世界には5つの国があって、それぞれ闇の力を封印する力を持つ石を守っていた。だが、半年前に何者かによって石が1つ盗まれ、封印の力が弱まり闇の力が復活しつつあるんだ。俺が住んでた街は魔物に壊されて、家族も殺された」
「そんな···」
「俺は石を盗んだやつを見つけて家族の仇を討つ。
そのために旅をしている」
かける言葉が見つからず黙っていた。
「噂によると犯人は1年前に来た転生者らしい」
「転生者が他にもいるんですか!?」
自分以外にも転生者がいるなんて夢にも思っていなかったので、大きい声が出た。
「ああ、そいつも魔術士らしい。話はここまでだ」
風の壁を解除すると、クリスは歩き出した。
「これからどこに行くんですか?」
「石が盗まれたべネールに行く」
「僕も一緒に行っていいですか?」
「勝手にしろ」
クリスと一緒に最初の国、べネールに向かった。
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