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ざっと見ただけで30匹以上はいた。魔物は体を丸めて、臨戦態勢に入った。男の子とマイルたちに攻撃が当たらないように風の壁で包んだ。 「ここは僕に任せてください」 クリスの前に立った。 「初心者が出しゃばるな」 クリスが前に立った。 「何ですか、その言い方」 クリスの肩を掴んだ 「俺はこういう性格なんだよ」 肩を揺らして僕の手を払った。 「名前呼んでくれて嬉しかったのに···」 「名前を呼んだ覚えはない」 「呼びました」 「呼んでない」 回転音が聞こえ始め、次々と向かってきた。 「話は後だ」 「そうですね」 クリスと背中合わせになって、呪文を唱えた。 「アクアアロー!」 十字形の弓が現れ、鋭い矢が魔物に刺さった。 「スラッシュインパクト!」 クリスが剣を素早く薙ぎ払うと、斬撃が衝撃波と なって魔物を吹き飛ばした。 「これで終わりだな」 「呆気なかったですね」 一体残らず倒したのを確認してから壁を解除すると マイルと父親が男の子に駆け寄った。 「息子は大丈夫でしょうか···?」 祈るようにマイルを見つめていた。 「気絶してるだけです。怪我もないですしそのうち目を覚ますと思います!」 マイルが笑顔でそう言うと、父親はホッとした顔で息子を抱きかかえた。 「本当に···ありがとうございます!」 地面につくほど頭を深々と下げた。 「無事でよかったな」 クリスは優しい目をしていた。 助けてくれたお礼がしたいと言われたが、クリスはそれよりも息子との時間を優先してほしいと頑なに断った。男の子も目を覚まし、洞窟の入り口で親子と別れた。 洞窟を抜けると、一気に景色が変わった。 「あれがルケーノだ」 巨大な火山の麓に小さく街の明かりが見えた。 火口からマグマが流れる様は地獄のようだった。 「寝る場所を探そう」 しばらく歩くと、マグマが流れ込む湖があり水面から湯気が出ていた。手を入れてみるとちょうどいい温度だった。 「ルケーノは温泉も有名だからな」 そう言うと、クリスが全裸になって入った。 「ちょ、ちょっと!マイルもいるのに」 「マイルは治癒士だから見慣れてます!」 「あ、そうなんだ···」 「入らないのか?」 「恥ずかしいんで見ないでください」 服を脱いで、中に入るとあまりの気持ちよさに変な声が出た。クリスを見ると笑いを堪えていた。 「もう上がりますね」 出ようとするとクリスに後ろから抱きしめられた。 「ちょっと···」 何とも言えない安心感があった。 「もっと肉をつけろ」 そう言うと、クリスはぱっと離れた。

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