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目が覚めると、クリスの寝顔が目の前にあった。 銀髪を撫でるとクリスは目を開けた。 「おはようございます」 「おはよう。体は大丈夫か?」 「マイルのおかげで、もうだいぶ楽です」 「そうか。よかった」 「2人とも大変です!」 マイルが慌てた様子で入ってきた。 「どうした?」 「魔物が街中で暴れてます!」 「あいつの仕業だな。ケイ、行けるか?」 「行けます」 ローブを羽織って、急いで部屋を出た。 外に出ると、魔物がルケーノの住民を襲っていた。 大会に出場していた戦士や魔術士も戦っていたが、魔物の数が多すぎて押し切られるのも時間の問題だった。 「怪我してる人を治さないと!」 そう言って、マイルは走り出した。 「マイル、待って!」 「俺たちも一緒に行こう」 魔物が邪魔をしないように、風の壁で囲んだ。 「数が多すぎるな···」 「どうしますか?」 その時、爆発音が聞こえキーパーがいる要塞のような建物が崩れ始めた。瓦礫の隙間からキーパーらしき人物と魔術士が戦っているのが見えた。 「このままだと石が···」 「そのために俺たちがいる」 そう言うと、ルルがくれた剣を手に取った。 「親父、力を貸してくれ」 「きっと見守ってくれてます」 クリスの背中に手を当てた。 「ここは私達に任せて!」 ジュリアの声が聞こえた。 「お嬢ちゃんは必ず守るから、行ってきなさい!」 ジュリアたちが風の壁を囲むように立っていた。 「頼んだ!」 「お願いします!」 壁を解除して、魔術士のところに向かった。 足場が悪い中、キーパーの隣に立った。 「誰だ、あんたら」 真っ赤な髪をした、僕と年齢がそう変わらなそうな男が明らかに嫌そうな顔をして僕たちを見た。 「話してる時間はない」 「助けに来ました!」 「雑魚が集まったところで所詮雑魚!」 魔術士はそう言うと、攻撃が勢いを増した。 「ケイ!行くぞ!」 「はい!」 攻撃を防ぎながら少しずつ魔術士に近づいた。 「今だ!」 クリスの合図に合わせて、呪文を唱えた。 「ポセイドン!」 「救いようのないやつらだ」 「それはどうかな?」 駆け出したクリスめがけて槍が飛んでいくと、剣に 魔力が宿った。 「なに!?」 防御が遅れた魔術士の左肩を剣が貫いた。 「雑魚どもがー!!」 叫び声を上げて魔術士は姿を消した。 「あんたら、やるじゃん」 さっきと打って変わって、ボルは笑顔だった。 「あいつは殺せなかったけどな」 「俺はルケーノのキーパー、ボルだ」 「クリスとケイだ」 「さっきの魔法ってあの婆さんのだよな?」 「べネールを出るとき教えてくれました」 「こりゃ思ったより深刻かもな···」 そう呟いたボルの顔が不安そうだった。

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