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「ケイのことが好きだ」
耳元でクリスが囁き、大きな手が背中を滑る。
くすぐったくもあり、気持ちよくもあった。
「僕もクリスのことが好きです」
太い首に手を回してキスをした。
舌が絡まり、2人の体温が上がった。
「もっと近くに感じたい」
そう言うと、クリスはおもむろに服を脱いだ。
彫刻のような体は何度見ても見惚れてしまう。
左胸に耳を当てると、早い鼓動が聞こえた。
「ドキドキしてる?」
そう聞くとクリスは当たり前だろ、と答えた。
クリスの手がローブのボタンを器用に外して、素肌にざらついた手の感触がより伝わってきた。
「ケイの弱いとこ全部知りたい」
そう言って耳を甘噛みしながら乳首を弄った。
腰が抜けないようにクリスの肩を掴んだ。
「我慢するな」
クリスの舌が首筋をなぞって唇を塞いだ。
「ケイ、起きてください!」
マイルの声で目が覚めた。
「寝言うるさかったぞ」
どうやらさっきのは夢だったらしい。
「クリスの夢でも見てたのかしら?」
ジュリアが微笑んでいた。
「ち、違いますよ!」
「その反応だと図星みたいね」
恥ずかしくてクリスの顔が見れなかった。
「やつに追い越されないように急ぐぞ」
探知を再開して地図を見ると、昨日いた場所からは
そんなに離れていなかった。
しばらくすると、梯子が見えてきた。
クリスが先に上って様子を確認した。
「使われてない倉庫みたいだ」
人の気配はなく、様々な大きさの木箱が乱雑に置かれていた。
「これって···」
「何かあった?」
「あの葉っぱです」
木箱の中には枯れ葉が大量に入っていた。
「どういうこと?」
「国ぐるみで何かを隠蔽してるってことだな」
クリスがそう言ったとき、扉が開く音が聞こえた。
「声聞こえなかったか?」
「お前の気のせいだろ」
男2人が話しながら中に入ってきた。見つからないようにすかさず物陰に隠れた。
「いや、本当に聞こえたんだって」
「こんな何年も使われてないとこに誰が来んだよ」
「それもそうだな」
「早く薬もらいに行こうぜ」
「そうだそうだ、薬切れたらやばいからな」
そう言うと、男たちは出て行った。
「薬って言ってましたね」
「治療薬じゃなさそうだな」
「まさか···」
「そのまさかかもな」
「街の人たちに薬のこと教えないと!」
マイルが駆け出すのをジュリアが止めた。
「下手に動くと国を敵に回すことになるかもね」
「でも···治癒士として許せません!」
マイルは悔しそうに唇を噛んでいた。
「まずは薬の出処を見つけましょう」
「用事はいいのか?」
「そんなの後でも大丈夫よ」
「やつが来る前に片付けよう」
そう言って、倉庫を出た。
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