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「ここにブレンがいます」 着いたのはピラミッド型の建物だった。 「最上階にブレンの部屋です」 ピラミッドの頂上は首が痛くなる高さだった。 「衛兵がいるけど、どうするつもり?」 「私が囮になります」 ネロが入り口で暴れて、警備が手薄になってる間に裏口から侵入するという作戦だった。 「中に入ることができれば、直通のエレベーターに乗って最上階に行けます」 「それじゃネロが···」 「私は簡単にはやられませんよ。それでは最上階で 合流しましょう」 そう言うと、ネロは入り口に立っている衛兵を次々と倒していった。警報が鳴って、入り口に衛兵が集まり出した。 「行くぞ」 ネロが心配ではあったが、今は進むしかないと思い クリスの後を追った。 ネロの読み通り、裏口の衛兵も応援に行っているようで誰もいなかった。扉を開けて、直通のエレベーターを探した。 「あった!」 ジュリアの前には、目を引く金色のエレベーターがあった。ボタンを押すと、待ち時間を飽きさせない工夫なのか明るい音楽が大音量で流れ始めた。 「悪趣味すぎない?」 「降りてくるまで時間がかかりそうですね···」 「その前に衛兵に気づかれるかもな」 そう言うと、衛兵が数人向かってきた。 「時間潰しには丁度いいわね」 ジュリアが衛兵の前に立ち塞がった。 「女は引っ込んでろ!」 「···今、なんつった?」 ジュリアの声が1トーン低くなった。 「女が出しゃばるなって言ったんだよ!」 ジュリアは黙ったまま、短剣を構えた。 「あいつら終わったな」 クリスが小声で耳打ちした。 「え?」 衛兵をボコボコにする光景が、スローモーションに見えた。 「そういうのは私に勝ってから言え、クソども!」 ジュリアはキレると途端に口が悪くなるようだ。 「派手にやったな」 「こいつらが悪い」 その時、エレベーターの到着を知らせる音がした。 金色の扉が開くと、中はガラス張りで外の景色が 一望できた。扉が閉まり3分ほどで最上階に着いた。 「ようこそ。執政官のブレンです」 扉が開くと、金髪の紳士が立っていた。 「随分派手に暴れてくれましたね」 部屋の壁に巨大なモニターがついていて、ジュリアの戦闘シーンが映っていた、 「知ってたのにどうして止めなかったの?」 「最近、退屈していたんですよ。あなた達ならいい 暇つぶしになるかと思いまして」 「暇つぶしだと?」 クリスが敵意を剥き出しにして睨んだ。 「あなた達の噂は私の耳にも入っていますよ」 ブレンは不敵な笑みを浮かべながら、コートを翻してL字型のソファに座った。 「あなたに聞きたいことがあります」 「内容によりますが、お答えしましょう」 「地下道での出来事はあなたの仕業ですか?」 ブレンは予想外の質問に少し驚いていた。 「おやおや、そんな話が出てくるとは驚きました。 私がやりましたが、証拠はありませんよね?」 「私が生き証人です」 エレベーターの扉が開いて、ネロが現れた。

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