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対峙−1−

「私は地下道で働いていました」 ネロが一歩ずつブレンに近づいた。 「ほう···生き残りがいたとは。でもあなたが死ねば この話は終わりですよね」 ブレンはグラスに赤ワインを注いで、飲み干した。 「たとえ私が死んでも事実は消えません」 ネロは僕たちの顔を順番に見た。 「なら、全員死んでもらいましょうか」 ブレンが指を鳴らすと、部屋の奥から人型の機械が 四体現れた。 「倒せたら、私が相手しましょう」 そう言うと、部屋の奥へと歩き出した。 「待て!」 「待ちなさいよ!」 クリスとジュリアが追いかけようとしたが、機械が 立ちはだかった。 「ココカラサキハトオサナイ」 「一体ずつ倒すしかなさそうですね」 ネロが機械と向かい合った。 「とっとと倒してあいつをぶん殴りましょ」 「5分以内に倒すぞ」 「無茶言わないでください」 「ハイジョシマス」 機械の目が赤く光ると、攻撃をしかけてきた。 左腕はマシンガン、右腕はドリルになっていて攻撃のタイミングをなかなか見つけられなかった。 「全然攻撃できないんだけど!」 「攻撃を避けるのに精一杯だ」 「このままじゃやられます···」 「機械には必ず動力源があるはずです!それさえ 壊してしまえば動かなくなります」 ネロの言葉にみんな頷いた。 攻撃を避けながら動力源を探すと、機械の背中に 回線が集まる小さな黒い箱があった。 「背中にそれっぽい箱があります!」 「了解!」 「サンダースピア!」 狙いを定めて槍を放ったが、ギリギリのところで 避けられた。どうにか機械の動きを止められないかと思い、呪文を唱えた。 「マッドロック!」 土と水の属性を組み合わせて泥を作り出した。機械の足元を泥が覆い、狙い通り動きを止めることに成功した。 「よくやった」 クリスの言葉が嬉しくて、ニヤけるのを堪えた。 機械の動力源を破壊すると、首が前に倒れた。 「ブレンを倒しに行きましょ」 ジュリアを先頭に歩き出すと、後ろで音がした。 壊したはずの一体が銃口をこちらに向けていた。 「皆さん、逃げてくださ···」 「コロス」 ネロが盾になって、銃弾を体で受け止めた。 攻撃が止むと機械は動かなくなった。 「ネロ!」 倒れたネロに薬を飲ませようとすると、僕の腕を掴んで首を横に振った。 「どうして···」 「···老い先短い身です。皆さんと出会えてよかった」 そう言って、涙を流しながら息絶えた。

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