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猛攻−1−
魔物の群れが二手に分かれて向かってきた。
「俺たちも分かれよう」
ゴル、ジュリア、マイルと別れて砂漠を走った。
魔物はほとんどがケルベロスに進化していて、激戦になることがたやすく想像できた。
「さっさと片付けるぞ」
クリスは大剣を地面に突き刺した。
「スラッシュブレイク!」
地面に亀裂が入り、魔物たちの足場が崩れた。
「アクアアロー!」
水の矢が魔物の体を貫いた。
「リム、お願い」
リムが魔物の間を飛んで、電気が矢を伝って流れると次々と魔物が倒れた。
「この調子で叩き込むぞ」
「はい!」
精霊の力を借りて、ほとんど攻撃を食らわずに戦うことができた。
「早く合流しましょう」
魔物をたちを片付けて、マイルたちの方に向かうと突然周りの砂が下に流れ始めた。
「何が起きてる!?」
もがけばもがくほど砂に飲み込まれた。すり鉢状に砂が流れ込んでいるところに、アリジゴクのような魔物がいるのが見えた。
「下に魔物がいます!」
「この体勢じゃ剣が抜けない」
クリスの左半身がすでの砂の中に埋まっていた。
呪文を唱えようとしたが、本を開けなかった。
「レム、力を貸して」
レムは流砂を物ともせず、僕とクリスを背中に乗せて上に連れてってくれた。それと同時に魔物は砂の中に姿を消した。
「このままレムに乗って行きましょう」
「そのほうが安心だな」
レムは了解と言わんばかりに喉を鳴らして進んだ。
マイルたちも魔物をほとんど倒していて、魔術士を探すことに集中した。マイルは蛇が苦手なのかレムにかなり怯えていた。
「あれ、何···?」
ジュリアの視線の先には漆黒の闇が広がっていた。
さっきまで太陽が照りつけていた砂漠に、雨が降り始め雷の音が轟いた。
「これが闇の力か···」
ゴルは生き物のように蠢く空を見つめて呟いた。
「気をつけろ、ケイ」
ライカの声が聞こえて、頷いた。
次の瞬間、空が一瞬光って黒い雷が落ちた。
「避けて!」
僕たちがいた場所に落ちた雷は、鳥の形に変化して追いかけてきた。
「リム!」
リムが翼を広げて、僕たちの盾になってくれた。
黒い鳥がぶつかると目を開けていられないほどの
光を放った。目を開けると、リムの姿はなかった。
「来るぞ!」
次から次へと雷が襲ってきて、逃げているうちに
みんなとバラバラになってしまった。
「ライカ、みんなをお願いします」
「分かった」
カルからもらった電気針を避雷針がわりに地面に刺して、みんなに攻撃が向かないようにした。
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