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狙い通り、雷は僕の周りに集中的に降り注いだ。 威力が凄まじく、針は一発で呆気なく壊れた。 「ライカ、みんなは?」 「みな無事だ」 「···よかったです」 雷が止んだかと思うと、どす黒い雲から竜巻が何本も地上に伸びた。この世のものとは思えない地獄のような光景だった。 ルムの背中に飛び乗って竜巻に向かっていった。 竜巻はあらゆるものを巻き上げて、勢いを増した。 「ルム、行くよ!」 ルムは前脚を上げると、スピードを上げた。竜巻の中は砂が舞っていたが、ルムのおかげで目を開けていられた。雲の先に魔術士の姿が見えた。 「あそこ!」 ルムは竜巻を駆け上って、分厚い雲を突き抜けた。 雲の上は嘘のように綺麗な青空だった。 「ジェットインパクト!」 風で空気を押し出して衝撃波を生み出した。魔術士は背中から生えた黒い翼を器用に羽ばたかせて攻撃を相殺した。 「いつもの雑魚どもは?」 「僕があなたを倒します!」 「その程度で?笑わせるな!」 魔術士が翼を動かすと、おびただしい数の風の刃が襲ってきた。ルムは刃の中を華麗に駆け抜けた。 「鬱陶しい」 魔術士の声が背後から聞こえ、振り向いたときにはもう雷がルムを貫いていた。 「ルム!」 ルムの姿が消え、空に放り出された。 「死ね」 魔術士が手を振り上げると雷が迫ってきたが、雷は僕ではなく魔術士に向かっていった。 「···何!?」 「僕を甘く見ましたね」 魔術士が背後に来た瞬間を狙って、残っていた針を翼に刺していたのだ。雷は勢いそのままに、魔術士の翼を貫いた。一か八かだったが上手く行った。 「くそっ···!」 バランスを崩した魔術士はゆっくりと落下した。 その姿を見ながら落下し黒い雲に飲み込まれた。 遠のく意識の中でクリスの声が聞こえた気がした。 涙がこぼれそうになった時、腕を掴まれた。 「ケイ!大丈夫か?」 目の前にはライカの背に乗ったクリスたちがいた。 「どうして···?」 「みな言うことを聞かなくてな」 ライカがそう教えてくれた。 「何のために俺たちがいるんだ?」 クリスはそう言うとおでこにデコピンした。 「そうよ。1人で格好つけようとしちゃって」 ジュリアは僕の脇腹を小突いた。 「お守り返してもらいますよ!」 マイルは泣きながら怒っていた。 「みんな、ごめん···」 みんなに頭を下げた。 「分かったならもういい」 そう言って、クリスは優しく抱きしめてくれた。 「お涙頂戴なところ悪いけどあいつは倒したの?」 ゴルの質問に首を横に振った。 「そう···。まだ油断できないってわけね」 「今度は俺たちも戦うからな」 クリスの言葉に頷いた。

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