「え？今から？」 おれは驚く。冬夜が来るときはいつも数日前から予告して来ていたし、休日に来るのがつねだった。 「なんだろ……」 最近来ていなかったし、催促はされていた。もしかしたら早く帰っていたのを見て時間があると思ったのだろうか。 「取り敢えず、女装したほうがいいよな……」 冬夜が来るのということはそういうことだろう。おれは慌ててウイッグを、隠していたトランクから取り出す。 その時、ガチャリとドアが開いて冬夜が入ってきた。 「え？ちょ、早いよ。まだ準備が……」 おれは驚いてそう言ったが、冬夜はかまわずドアを内側から鍵を閉めると、ずかずかと中に入ってくる。 「準備？ああ、そんなのこれでいいよ」 冬夜はそう言って手に持っていたウイッグを奪うように掴むと乱暴な感じにおれに取り付ける。 そして、おれの腕を掴んで立たせると、そのままベッドに押し倒した。 「え？な、なんだ？なんか怒ってる？」 あっという間の出来事でおれは何も出来なかった。 冬夜の雰囲気はいつもと違った。声も淡々としていて何だか怖い。 いつもだったらからかうような口調で意地悪なことをしてくるのが常だった。 「別に……」 そう言ったが明らかに声は固く冷たい。 「で、でも……」 「そんな事より、さっきあの女と何話してたの？」 「え？あの女って……小山さんのこと？べ、別に何も、ちょっと世間話してただけで……なにかあった？」 小山さんを冬夜にけしかけようとしていたなんて言えないので、適当に答える。嘘はついてない。 それとも、小山さんが何か余計なことを言ってしまったのか。 「別に何も。なんかデレデレ鼻の下伸ばして話してたからムカついた」 冬夜はそう言うと、掴んだおれの腕をベッドに押し付ける。強い力で押さえつけられて痛みが走る。 「い、いたい！な、なんだよ鼻の下なんて伸ばしてないし、冬夜には関係ないだろ。なに怒ってるんだよ」 「怒ってないっていってるだろ」 その声には明らかに怒気が混じっていて段々焦ってきた。何かおかしい。 「い、嫌だ。止めて……」 反射的にそう言って。反対の手で突っぱねようとしたら冬夜はイラついたように舌打ちをして、その腕も掴んで押さえつける。 「じゃあ、伊織ちゃんが男のくせに女装するのが趣味の変態ですってみんなに教えてこようか。小山さん驚くだろうね」 「や、やめて……」 酷い言葉に視界が滲む。固まって動けないでいると、部屋着の下に手が入ってきて乱暴に揉まれた。乳首を指で捏ねられ思わず体が跳ねる。 「ほら、こんないやらしい体して恥ずかしい」 「ち、違……」 「違わないだろ。今までも男の俺に何度も触られて気持よくなってイってたくせに。やらしく腰を振って誘ってただろ」 「そ、そんな事、してな……ほ、本当にやめ……」 乱暴な口調と態度に怖くて声が震える。なんとかもがいたが恐怖でこわばっているのかまったく動かない。 それでも冬夜にはそれが気に入らなかったのか、またイラついたように舌打ちをしてたくし上げた部屋着を腕まで上げて動けないように服を縛った。 「少しじっとしてて」 「や、やだ……」 体は動かないから首を振って嫌がってみたがすぐに冬夜に顎を捕まれ噛みつくように口を塞がれる。その時、パニックになっていて思わず冬夜の唇を噛んでしまった。 「っ……」 冬夜は痛かったのか流石に体を話した。加減なく噛んでしまったせいか唇に血が滲んでいる。 「あ、ご、ごめ……」 血の色に思わず謝ったが、冬夜はペロリとそれを舐めるとまた身を屈めておれの口を乱暴に塞いだ。 「口開けて」 命令するように言われて思わず開けると、ざらりと舌が入ってきた。すくいとるように掻きまわし息も出来ない。喉の奥まで犯されるように掻きまわされ必死に耐えていると、いつの間にか冬夜の手がズボンの中に入ってきていた。 「ん……っい……」 その手は痛いくらいの力で掴み激しく扱いてくる。それでも刺激されて中心に血が集まってきた。 「い、嫌だ……」 「うるさい、じっとしてろ」 こんな状態でしたくないと思ってまたもがいたが、強い口調で言われてまた強い力で押さえつけられた。 「っ！……」 体が硬直する。冬夜はそのままズボンと下着を乱暴に脱がせ大きく足を開かれる。 おれはもう抵抗することもできない。 冬夜はおれの下半身を見て意地悪く笑う。 「ほら、俺に触られただけで固くなってるじゃん。こんな体じゃ女の子好きになっても無駄だよ」 「っ……」 冬夜はそう言うと、恐怖で少し萎えてきたそこをまた扱く。 「ここも触られるの好きだよね」 そう言って胸に手を置き指でいじる。そこはさっき乱暴に触られたせいか少し赤い。冬夜は指でいじりながら反対の乳首口に含んだ。 「っあ……ん……」 ゆるく噛まれたあときつく吸われる。何度も刺激されて感じるようになっていたそこはこんな状況なのに素直に反応してしまう。 赤くなったそこはプクリと立ち上がりジンジンとした快楽を拾う。冬夜はそこを舌で押しつぶすように舌を這わせ、おれはまた声をもらしてしまう。 「ほら、もう完全に女の子だね」 冬夜は面白そうにそう言うと、さらに感じやすいところを刺激していく。おれは恐怖に硬直しながらも体だけは高められてさらに混乱してしまう。 抵抗する力も無くなると乳首をいじっていた手は脇腹を撫でて太ももまで降りてきたかと思うと足の間に滑り込んでさらに奥に入ってきた。 「っう……んん」 後孔に感じる違和感にビクンと体が跳ねる。指は一本入ってきたかと思うと直ぐに二本目が入ってきた。 「指入れるのも大分慣れてきたね。もうそろそろもう少し太いのもいけるんじゃない？」 冬夜は意味深な感じでそう言った。 「え？な、何言って……や、やだ……っう」 「ほら、しずかにして」 冬夜はおれが悪い事をしたかのようにそう言ってまた口をふさぐ。 舌が入ってきて中を掻きまわす。ざらりと上あごを舐められゆるく舌を噛まれてそれに気を取られている間に三本目の指が入ってきた。 指は中を広げるように動きながらさらに奥に入って来る。 「んう……ああ」 ゴツゴツした太い指が中の粘膜を擦る。何度かされているせいか、嫌なのに体はすぐにそれに慣れ、感じるところを擦られると快楽を拾い始める。 息も上手く吸えなくて、頭がふわふわしてきたのか、抵抗する気力もなってきた。 何度も激しくキスをしたからか口から唾液がこぼれ、ぐったりされるがままになる。 すると、冬夜が「そろそろかな」と言って体を起こしおれの足を抱え直した。 足をさらに広げると腰の下に枕を置いて高くする。 さっきまで掻きまわされていた場所、が冬夜の前に晒された。 「はは……すげーエロい……」 冬夜は擦れた声で言うと、ゴソゴソと自分のズボンをくつろげる。取り出したものはもうすでに固く立ち上がっていた。凶悪なくらいそそり立っていて先走りが溢れていた。 冬夜はそれをさっきまで指が入っていたところに添える。 ぼんやりしていたおれは流石にそれには血の気が引いた。慌てて止めようとする。 「な、何するの？やめ……っく」